issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 01 35
一瞬、戦場の轟音が遠のく。その唐突すぎる再会に、ホットショットは炎を揺らめかせたまま、
目を丸くした。
「……お前、なんでこんな所にいるんだよ!?」
驚きと、場違いな再会への動揺が、そのまま乱暴な口調になって喉からあふれ出た。
脳髄から伸びた触手が、ビクリと跳ねる。
「……アシュリー!?」
「こっちのセリフだ!あの骨野郎にでも捕まってたのか? だったらいいタイミングだから、
さっさと来いよ。ちょうど今、こっちは“大掃除”の真っ最中だからな!」
ホットショットは、救出してやるのが当然という口ぶりで、天井から垂れ下がったケーブルを手でのけ、中へと歩を進める。その言葉は、マクロブランクにとっても予想外のものだった。
彼は一瞬、タコ状の肉体を驚きに脈打たせたが、すぐに威厳を取り繕うかのように尊大に触手を広げ、
こう言い放った。
「……ち、違いまちゅ!わちきは捕虜なんかじゃありまちぇん!
シャカゾンビと、新たなる盟約を結んだのでちゅ!」
「はあぁ!?」
「シャカゾンビは、わちきを元の栄光ある姿に戻してくれると、そう約束してくれまちた!」
その宣言に、ホットショットは心底呆れたように、こめかみを指で押さえた。
「待て……お前、政治家の公約とか本気で信じるタイプか?んなの、お前のあのワケわかんないボディを乗っ取るための嘘に決まってるだろ!頭いいんだか悪いんだか、どっちだよ!」
「違いまちゅ!ぜぇ~ったいにそんなことありまちぇん!とにかくワチキは今、ここの『技術顧問』なのでちゅ!」
マクロブランクは、どこからか子供っぽい誇らしさを宿して、触手を胸の前で組む。
「なぁにぃ?『ぎじゅつこもん』?社食の冷蔵庫のメンテナンスでもやってるのか?
そんなもん直った途端『社内都合』でポイされるのが常識だぞ、常識!――」
ホットショットはいよいよ困惑し、頭を掻く。
「――どう考えても騙されてるに決まってって!第一、お前みたいに誰に対しても威張り散らすようなヤツが、どこ行ったって馴染めるわけないだろ!
こんな薄暗い場所にいるくらいなら、さっさと帰ってこいよ。ウチだって、
物置くらいなら部屋空けてやるから。……どうせもうさ、あの骨とも何回か大喧嘩してんだろ?
ぶっちゃけ」
……図星だった。マクロブランクは、シャカゾンビやあの獣人たちとの不毛なやり取りを思い出し、
一瞬、その脳髄を屈辱に震わせる。




