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issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 01 28
……金属の絶叫が空気を裂いた。音速を突破したことを告げる衝撃波の輪――それ自体を何度となく突き破って、プロディジーの放った長大な鎖がミーティスに迫る。
半ば自動化された機構として、ミーティスの袋から次の紙片の群れが吐き出された。
高速で回転する無数の呪符は、意思を持った結界と化す。その渦が鎖の先端を横合いから殴り返した瞬間、激烈な火花が散り、恐るべき運動エネルギーは完全に方向を逸らされて虚空を滑った。
「ちぃっ!」
舌打ちするプロディジーへ、今度はミーティスからのお返しが放たれる。
敵の運動エネルギーを転用した、氷上の舞いを思わせる優雅なターンに合わせ、
渦を構成していた呪符の流れが1筋の川となって彼へと逆流する。回避する間もなく、逃れる暇もなく、
幾100枚もの紙片が獣人の全身に貼り付いた。
「いけぇっ!」
少女の掛け声は、起爆の合図だった。指向性を帯びた力が内側から外側へ炸裂し、
強烈な衝撃波がプロディジーの巨体を軽々と吹き飛ばす。抵抗も叶わず直進する彼の身体は、
背後にそびえる対空砲の金属残骸へ、猛烈な勢いで叩きつけられた。




