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仕事に疲れて家に帰ると、座敷童がいた  作者: 白熊 猫


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第5話 テレビゲーム

みなさんはどんなゲームが好きですか?

休日の昼下がり。

掃除も洗濯も終わり、昼食まで済ませた直人は、久しぶりにのんびりした時間を満喫していた。

「さて……ゲームでもするか」

誰に言うでもなくぼやきながら、机の前に座る。

テレビの電源を入れ、ゲーム機を起動。

画面には、直人が最近ちまちま遊んでいるアクションRPGが映し出された。

平日は夜遅く帰ってくるため、ゲームを触るのも久しぶりだ。

「イベント今日までだったな……期間限定アイテムもう少し欲しいな」

コントローラーを握り、ダンジョンへ出発する。

敵を倒し、素材を集め、たまにレア装備を狙う。

一人で黙々と進めるタイプのゲームだ。

しばらく集中してゲームしていると。

「おじさん」

背後から声がした。

「うおっ」

振り向くと、しきちゃんが後ろからひょこっと顔を出していた。

「びっくりした……」

「なにしてるの?」

しきちゃんはテレビ画面をじーっと見つめる。

「ゲームだよ」

「げーむ?」

「遊ぶやつ」

「おぉー……」

画面の中では、鎧を着たキャラクターが大剣を振り回している。

しきちゃんは興味津々だった。

「うごいてる!」

「まあゲームだからね」

「このひと、なにしてるの?」

「モンスター倒してる」

「わるいやつ?」

「たぶん」

「たぶんなんだ」

しきちゃんはぺたんと直人の隣に座った。

そして、食い入るように画面を見始める。

敵を倒すたびに「おぉー」とか「つよい!」とか反応するので、妙に部屋が賑やかだった。

「おじさん、これたのしい?」

「うん。ついついはまっちゃってな。無心で敵倒してると、仕事のこと忘れられるんだよ」

「おしごと、たいへんだもんねぇ」

妙にしみじみ言われた。

直人は苦笑する。

そのとき。

画面の中で、金色の宝箱が出現した。

「お、レア箱だ」

「れあ?」

「たまにしか出ないやつ」

期待しながら開けてみる。

結果。

「……うーん、微妙」

「びみょうだった?」

「ハズレ寄りかなぁ」

「ざんねん」

しきちゃんも本当に残念そうだった。

それからもしばらく遊んでいたが、しきちゃんはずっと隣で眺めている。

「……やってみる?」

「えっ」

しきちゃんが目を丸くした。

「しきちゃんも?」

「うん。簡単な操作だからできると思うよ」

「やる!」

即答だった。

直人はコントローラーを渡す。

しきちゃんはおそるおそる受け取った。

「これでうごくの?」

「左スティック倒してみ」

「すてぃっく?」

「このぐるぐるするやつ」

「おぉ……!」

キャラクターが動いた瞬間、しきちゃんの目が輝いた。

「うごいた!」

「まあ操作したからね」

「すごい!」

しきちゃんはきゃっきゃとはしゃぎながらキャラクターを歩かせる。

壁にぶつかり。

変な方向へ走り。

たまに攻撃ボタンを連打する。

完全に初心者だった。

「おじさん!ころんだ!」

「段差から落ちたな……」

「むずかしい!」

でも楽しそうだ。

直人は隣で笑いながら操作を教える。

「敵いたらこのボタン」

「こう?」

「そうそう」

しきちゃんのキャラクターが敵を倒した。

「やったー!」

すごく嬉しそうだった。

その後。

事件は起きた。

しきちゃんが適当に歩き回っていたときだった。

突然、画面が虹色に光る。

「……え?」

直人は固まった。

超低確率のレアモンスターの出現演出だった。

「おじさん、ぴかぴかしてる!」

「ちょ、ちょっと待って」

直人は思わず前のめりになる。

そのモンスターは、イベント期間中でも滅多に出ない。

しきちゃんは事情を理解しないままボタンを連打する。

「えい!えい!」

「落ち着いて!逃げられる!」

「ふにゃっ!?」

わちゃわちゃしながら戦闘。

そして数分後。

モンスター討伐成功。

さらに。

画面に表示されたアイテム名を見て、直人は完全に固まった。

「……うそだろ」

ドロップ率1%の最高レア装備。

攻略サイトでもなかなかでないと評判の激レアアイテムだった。

「おじさん?」

「……出た」

「でた?」

「1番レアなやつ」

「おぉー!」

しきちゃんは意味は分からないまま拍手している。

直人は画面を見つめたまま、ぽつりと呟いた。

「座敷童がいると運気が上がるんだっけ?……つまり、これが座敷童パワー?」

「しきちゃん、うんきいいから!」

どや顔だった。

いや、本当にそうかもしれない。

今まで何十周しても出なかったアイテムが、しきちゃんが触った途端に出るなんて。

「……すごいな」

「えへへー」

褒められて嬉しいのか、しきちゃんはにこにこしていた。

そして次の瞬間。

「じゃあ、もっとれあなのだす!」

「欲が強いな!?」

それから二人は夕方までゲームを続けた。

さすがにそれ以降はレアな敵や珍しいアイテムを手に入れることはなかったが、しきちゃんは楽しそうにゲームをしていた。

「おじさん、つぎこれたおす!」

「はいはい、戦う前にまず回復しような」

賑やかな休日の午後が、ゆっくり過ぎていった。

しきちゃんの幸運値はMAXです!

直人の幸運値はしきちゃんに出会う前よりは上がったのかな?

しきちゃんに出会えたことが1番の幸運な気はしますが笑


誤字脱字などあったら、教えてください><

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