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仕事に疲れて家に帰ると、座敷童がいた  作者: 白熊 猫


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14/15

第14話 スーパーでのお買い物

休日の午後。

掃除も洗濯も終わり、のんびりくつろいでいた直人は、ふと時計を見る。

時刻は15時過ぎ。

「……そろそろ晩飯考えないとな」

そう呟きながら立ち上がる。

冷蔵庫を開けると、中はだいぶ寂しかった。

卵。

麦茶。

使いかけのチューブ調味料。

あと半端に余ったキャベツ。

「うーん……」

すると後ろから、ひょこっとしきちゃんが顔を出した。

「おじさん、ばんごはんなに?」

「まだ決めてない」

「おなかすいた!」

「お腹空くの早いなー」

直人は冷蔵庫を見ながら考える。

「……晩御飯はカレーにするか」

その瞬間。

「……かれー?」

どうやらカレーを知らないらしい。

「簡単に言うと、ちょっと辛い煮込み料理かな」

「からいの!?」

「まあ、子供でも食べれるように甘口にするからそんな辛くないよ」

「おいしい?」

「たぶん、しきちゃん好きだと思う」

「かれー!かれー!」

しきちゃんはぴょんぴょん跳ね始める。

「はいはい」

直人は苦笑しながら財布を手に取った。

「材料ないから、スーパーに買い物行ってくるか」

「すーぱー!すーぱーってなに?」

「食べ物とか色々売ってる店」

「いっぱいある!?」

「いっぱいある」

「しきちゃんもいきたい!」

「じゃあ、2人で行くか。」


2人で近所のスーパーへ向かう。

休日の夕方前。

外は少し涼しく、穏やかな空気が流れている。

しきちゃんは直人の隣をとてとて歩きながら、きょろきょろ辺りを見回していた。

「おじさん」

「ん?」

「あそこ、おはな!」

「ほんとだな」

道端の花壇を見つけてはしゃぎ。

「いぬ!」

「散歩中だな」

通り過ぎる犬に手を振る。

「あら、可愛い子ねぇ」

「こんにちは!」

たまに近所の人とすれ違うと、しきちゃんは元気よく挨拶していた。


スーパーへ到着すると、自動ドアが開く。

「おぉ……!」

しきちゃんが目を丸くした。

「いっぱいある!」

店内へ入った瞬間、しきちゃんのテンションがさらに上がった。

野菜コーナー。

お菓子コーナー。

惣菜コーナー。

全部が珍しいらしい。

直人はカゴを持ちながら、カレーの材料を探していく。

「えーと、まず玉ねぎ」

「たまねぎ!」

「じゃがいも」

「じゃがいも!」

「にんじん」

「にんじん!」

全部復唱する。

楽しそうだ。

「しきちゃん、なんでそんな嬉しそうなんだ?」

「おじさんが、ばんごはんつくるから!」

それだけで嬉しいらしい。

直人は少し照れくさくなって、誤魔化すように豚肉コーナーへ向かった。

「カレーなら豚かなぁ。牛や鳥も美味しいけど」

パックを見比べながら悩んでいると。

「おじさん」

「ん?」

「これ、ぺたってしてる」

しきちゃんが指差したのは、半額シールだった。

「あー、値引きシールな」

「ねびき?」

「安くなるんだよ」

「まほう!?」

「まあ、ある意味そうなのかも?」

するとしきちゃんは、真剣な顔で考え始めた。

「いっぱいはれば、いっぱいやすい?」

「それやったら怒られるなぁ……」

「だめかぁ」

しょんぼりしていた。

そんなしきちゃんの様子を見て、直人はくすっと笑った。

今までの休日の買い物なんて、必要なものをカゴへ入れて、さっさと帰るだけだった。

でも今日は違う。

誰かと話しながら歩いて。

同じものを見て。

笑いながら買い物をしている。

それだけで、スーパーの帰り道まで少し楽しく感じた。

レジを終え、袋詰めをしていると。

「おじさん」

「ん?」

「かれー、たのしみ!」

しきちゃんがにこにこしながら言う。

「まだ作ってないんだけどな」

「でも、おじさんのごはん、おいしいもん!」

真っ直ぐ言われて、直人は少しだけ言葉に詰まった。

今まで、しきちゃんのために作った料理は簡単なものだけだった。

こんな風に無邪気に褒められと、次からはもっとちゃんとしたものも作ろうと思えてきた。

「……そう言ってもらえると作りがいあるな」

「えへへー」

帰り道。

夕方の空は少し赤く染まり始めていた。

スーパーの袋を提げながら歩く。

その隣では、しきちゃんが嬉しそうにぴょこぴょこ歩いている。

「おじさん!」

「ん?」

「はやく、かれーたべたい!」

「はいはい。家に帰ったらすぐ作るよ」

「やったー!」

しきちゃんの嬉しそうな声が、夕暮れの住宅街に小さく響いた。

座敷童が家からいなくなるとよくないとは聞きますが、一緒に外出ならセーフですよね??

セーフということにして、今後はしきちゃんとのおでかけ話を書いてもいいですよね??

いきなり不幸が襲ってきたりしないですよね!?


誤字脱字などあったら、教えてください><

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