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仕事に疲れて家に帰ると、座敷童がいた  作者: 白熊 猫


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12/15

第12話 休日の朝の攻防

休日の朝。

カーテンの隙間から、柔らかな朝日が部屋へ差し込んでいた。

静かな部屋。

聞こえてくるのは外を走る車の音くらいだ。

そんな中、布団の中でもぞもぞとしていた直人は薄く目を開けた。

「……ん……」

眠い。

とにかく眠い。

昨夜は休日だからと気が緩み、動画を見たりゲームをしたりしていたら、寝たのは深夜2時近くになってしまった。

時計を見る。

朝9時半。

休日としては健康的な時間だ。

しかし。

「……まだ寝れるな」

直人はそう呟くと、再び目を閉じた。

その瞬間。

「おじさん!」

元気いっぱいの声が飛んできた。

「おはよう!」

「……おはよ……」

声だけ返す。

すると、しきちゃんが布団の横へやってきた。

赤い着物姿の小さな座敷童は、ぴょこっと顔を覗き込む。

「おきるじかん!」

「休日だから……まだ寝てていいの」

「だめ!」

「あと5分……」

直人は布団へ潜り込む。

休日の朝の睡眠時間は少しの時間でも非常に重要なのだ。

しかし、しきちゃんは納得しなかった。

「おじさん、もういっぱいねた!」

「まだ足りない……」

「たりてる!」

「いや足りない……」

不毛な会話だった。

しきちゃんはむむむ、と頬を膨らませる。

それから何か思いついたように、ぱっと顔を上げた。

「わかった!」

「……?」

次の瞬間。

「おーじーさーん!あーさー!」

部屋に大声が響いた。

「うおっ!?」

直人はびくっと肩を震わせる。

「び、びっくりした……」

「おきた!」

「起きてない……」

「おきてる!」

しきちゃんは得意げだった。

直人は再び布団を被る。

「……あと5分」

「また!?」

しきちゃんは信じられないものを見る顔をした。

そして次の作戦へ移るようだ。

てちてちと窓際へ歩いていき――。

しゃっ。

カーテンを勢いよく開けた。

「まぶしっ!?」

朝日が直撃した。

「しきちゃん!?」

「おひさまいっぱい!」

「休日の朝には刺激が強い……」

直人は布団を頭まで被る。

しかし、しきちゃんは諦めなかった。

「おじさん、おきてー!」

「あと5分……」

「ほんとに5ふんしたら、おきる?」

「たぶん……」

「たぶんなんだ」

呆れた声だった。

しきちゃんはしばらく考え込み――。

そして、てちてちと布団へ近づく。

「……?」

次の瞬間。

ぽすっ。

「ぐえっ」

小さな衝撃。

しきちゃんが、布団の上へ乗ってきたのだ。

「おじさん、おきるまでここいる!」

「重くはないけど地味に苦しい……」

しきちゃんは布団の上でぺたんと座り込んだ。

完全に居座る気のようだ。

「おじさんー」

「んー……」

「おきてー」

「ねむいー……」

「おなかすいたー!」

「……うっ」

その一言が、少し効いた。

時計を見る。

もう10時前。

このまま寝続けたら、昼ご飯の時間までずれ込みそうだ。

しきちゃんは布団の上で、ぴょんぴょん小さく跳ね始める。

「おきろー!おきろー!」

「揺れる揺れる」

「おきろー!」

ぽすぽす。

小さいのでダメージはない。

だが、眠気は少しずつ削られていく。

直人は観念したように大きく息を吐いた。

「……分かったよ」

「!」

「起きるから」

すると、しきちゃんの顔がぱあっと明るくなった。

「やったー!」

直人は重たい身体を起こす。

ぼさぼさの髪。

半分閉じた目。

完全に寝起きの顔だった。

「ふぁ……」

大きな欠伸をする。

すると、しきちゃんが満足そうに頷いた。

「おじさん、おきた!」

「はいはい、起きましたよ……」

一人暮らしだと昼過ぎまで寝ていても、誰にも何も言われなかった。

だから、こうして誰かに起こされる朝は、少しだけ新鮮だった。

まだ、眠いけど。

直人はベッドから降り、軽く背伸びをする。

窓の外はよく晴れていた。

「……いい天気だな」

「いいてんき!」

しきちゃんも嬉しそうに窓を見る。

それから、直人の方を向いた。

「おじさん!」

「ん?」

にこっと笑う。

「おはよう!」

その声につられるように、直人も少し笑った。

「……おはよう、しきちゃん」

無理やり起こされたとはいえ、いつもより気分の良い朝だった。

こんな朝の攻防微笑ましいでよね。

昼まで寝るのも幸せだから、どちらかいいのか悩ましいけど笑


誤字脱字などあったら、教えてください><

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