いのちの音 ep9 15歳編完
10月になり、風も秋の香りを運び
あっさりと父と母の離婚と引っ越しが決まった。
私は、母の実家から通える、連携校へ転入を出来るように母が手配してくれた。
出血をし、赤ちゃんがいなくなってから。
当たり前だが吐き気は治まり、出血からの貧血と、下腹部の痛みが少しあるものの。
体調は良かった。
引っ越しを明日に控え、まだ階に何も伝えられていない事が1番の気掛かりだ。
「お母さん、階と話してきたらだめかな?」
「ダメよ、向こうの叔母様には、赤ちゃんの事。引っ越しの事、伝えているから。階くんも知っているわ。そして、もう会わないように階くんも納得してるって」
「そか、、わかった」
このまま何も話せなくて、階は平気なのか。と胸のおくからズンとくるものがあった。
だけど私は、まだ階にありがとうを言えていない。
当日、父は居づらいのか朝イチから仕事へ行っていた。
10時からの引っ越し作業ぴったりに3人の作業員が来て、段ボール詰めした物をどんどんと詰め込む。
母と私2人のものだけだし、意外と早かった
11時には詰め込み終わり、トラックは出発した。
荷受けは祖母に頼み、私達は新幹線で向かう。
「秋音、タクシー来たから行くわよ。」
「うん、、」
生まれ育った家
1人黄昏れに黄昏れた河川敷
そして、階
それらに私はお別れをする。
「東京駅までお願いします。」
母がタクシー運転手に言った時
聞いたことのある声が遠くから聞こえた
、、きねー
あきねー!
階だった。
「かまいません、出してください」
お母さん!!
私が言いそうになった時、母に手を握られた。
俯くしか無かった、私も
叫びたかった。
階、階
何度心の中で叫んだだろう。
あ、、
あきねーーーー!!
遠ざかっていく階の絶叫に
思わず振り向いてしまい後悔した。
親戚の叔父だろう大きな身体に後ろ押さえられ、打ちひしがれていた。
私達は
秋が来る頃
お互い彩れないまま
ただ濃い深緑を知る
15歳の頃。




