いのちのおと ep3
階は19時55分にやってきた。
チャイムの音が、いつもより家中に響き、それは全員の不安と。これからどうなるのかすらわからない未知の始まりを告げる音だった。
父が出た。
そこには、制服に身を纏い歯を食いしばり
直立している階の姿があった。
「入りなさい。」
父に誘導され、緊張からかなり青ざめているような、顔色のない階と。我が家のリビングについた。
四人がけのダイニングテーブル。目の前に父と母が座り。右隣りに階がいる。
1番先に、口を開いたのは階だった。
「あの、、秋音さんとお付き合いさせてる、階と言います。お時間作って頂きありがとうございます」
声が震えていた。足の上に律儀に置いた手は食い込むのではないかと思うくらい、強くグーに握られていた。
付いて行こう。この人に
迷いが消える瞬間が、確かにそこにあった。
「秋音さんの、その、、お腹にまだ病院には行ってないですが、子供がいます。
僕はまだ高校生です。
でも、二人で生きていきたいと思っています。」
「生きて行く。と行ったって
どうやってやっていくつもりだい?」
父の言葉は、怒りと悲しみと全てを纏ったような。一瞬にして、自分達がまだ若干15歳なのだと。
突きつけてくるのだった。
「働きます。学校辞めて。」
「あ、あなた、働くって!!そんな簡単な事じゃないわよ!これまで、私がどれだけ苦労してこの子を育てたと思って!!」
階に近づき、今にも一発でも叩かないと気が済まない。という顔をした母を、取り乱した母を父が止めていた。
「あーーーー、、」
母の泣き声が
部屋中に響き渡っていた。




