次の依頼
キリが良いので短くなりました。
すみません。
###母 洋子
ハナノイさんと大奥様が自室へ戻られたので、応接室には伯爵、奥様、サントロさん、ローランさん、ラスターさんと私が残る。
「とても良いものを作ってもらって感謝する。後は金額はローランに話して受け取って欲しい」
「はい、ありがとうございます」
ラスターさんは伯爵に満足してもらえてほっとしているよう。
「ところで」
伯爵が続ける。
「もう一つ同じ物を作ってもらえないか」
「もう一つですか。出来ますが、高さは同じでよろしいでしょうか」
伯爵が悩んでいるので
「伯爵様、歩行器はその人の背の高さが関係してきます。宜しければどなたに渡されるのか教えて頂けたらわかりやすいと思います」
口を出してしまう。
伯爵は気分を害したふうでもなく、
「あぁ」
と頷いて奥様を見た。
「御義母様と同じくらいの背格好だから大丈夫だと思うわ。私の母に渡したいのよ」
奥様がラスターさんに言うとラスターさんも
「そうですか。では同じ物を作ります」
そう言って奥様に返事をしていると
「ラスター、わかっているのか」
急にサントロさんが声を出す。ラスターさんは何を言っているのかという顔。
「奥様の母上とは王太后様だぞ」
「あっ」
ラスターさんの顔が青くなっていく。
「そんなに気にしなくてもいいわよ。御義母様の歩行器が使い勝手が良いようだから母にもあるといいかしらと思ったの。少し足が弱ってきているから」
「同じ物で良いから作ってくれないか」
奥様に次いで伯爵もラスターさんへ頼む。
「……わかりました」
ラスターさんが頷いて言うと奥様は『びっくりすると思うわ』と伯爵へ話しかけていた。
疲れの出ているラスターさんに私はもう一つ頼まないといけない。
「ラスターさん、もう一つ作ってもらいたい物があるのですがお願いできますか」
私は『鬼おろし』の製作を頼む。昨日サントロさんに頼み伯爵に確認してもらい、大奥様の食事内容の説明をして許可を頂いた。
サントロには詳しい話をして図面を起こすためまた店に行く事を約束して、製作の了解をもらえた。
1週間も経たず歩行器と鬼おろしがサントロさんから届く。
鬼おろしを持って料理長のもとへ行き使用法を説明する。
大奥様はりんごのような果物アップが好きなのだけれど固くて、薄く切っても食べるのに苦労していたので鬼おろしですってみたいと思っていた。
料理長に話して作ってもらう。
昼食時に大奥様へ出してもらうと、大奥様は完食され、美味しかったと言ってくださった。
ラスターさんは伯爵に許可をもらい歩行器と鬼おろしを売り出した。
歩行器は貴族に、鬼おろしは料理人に評判が良いらしい。
とても忙しくなったとサントロさんに贅沢な悩みを言ってきたそうだ。




