↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女?の娘  作者: いぶさんた
29/47

今後

この世界に来て3ヶ月くらいたった。

随分、ここの生活に慣れてきたと思う。

母はあれから伯爵に報告するような夢見は見ていない。

時々日本の事を思い出すけれど、母が一緒にいるということもあり、諦めもあるため、『絶対に戻る』という気持ちは無いと思う。



ただ、今後私はどうすれば良いか、と考え始めた。

日本で言えば就活のようなものなのかな。

母はおそらくこのまま大奥様の侍女を続けると思う。大奥様とも、ハナノイさんとも仲良くしているようで楽しく働いている。


近頃は私も学校から帰ると大奥様の所へ行き、話し相手兼侍女のような事をしている。

私が行くとハナノイさんが侍女長の仕事をするため部屋を出る事が多くなったのは信頼してもらっているからなのかと思ってしまう。

このまま侍女として働くのも嫌ではないけれど…



『文官』

私が悩んでいるのは文官に興味があるから。

伯爵家にも少人数ながら女性の文官がいて、いつも忙しそうに働いている所を見ると憧れる。私は自分で言うのも何だけれど勉強は出来る方だと思う。けれど、この世界の常識がわからない。


文官になった時、自分に回ってきた書類の内容がきちんと把握出来るか自信がない。


母に相談すれば

「沙彩のやりたい事をしなさい」

と言われるとわかっているから自分で決めないといけないから、どうしようか、と何度も思ってしまう。




今では馴染んでしまったサントロさんナーバル親子との朝食の時、いつもは話に入ってこないナーバルが

「サーヤ、決めたか」

と言ってきた。ナーバルには随分前から今後どうするか決めたか聞かれている。

この世界で16歳にもなってやりたい事が決まっていないのはスラムの人達のようなやりたい事がやれない状況ではない限り『おかしい』らしい。


確かに、ナーバルは騎士団、マリカナは侍女、まだ卒業しないトリカナも料理人という希望をもっているのだから焦りもある。


「何のことなの」

母が聞いてくる。少しバーナルを睨んでしまった。今言う事ではないのに。


バーナルを見ると確信犯だったみたいで私があまりに愚図愚図しているからここで話を出したんだろうとわかった。


せっかくバーナルが切っ掛けをくれたから母に話そう。

「私は、文官になりたいと思ってて。出来ればクロナン伯爵家で働きたいと思っています」

母を見るとにこにこと笑っている。

「そう。じゃあ。サントロさん、どうしたらいいですか」

母は驚いた様子もなくサントロさんへこれからの事を相談している。

「いいの?お母さんと同じ侍女では無くて文官になって」

「沙彩がやりたいならいいわよ」

私は母から何と言われるか構えていたから母の言葉に少し気が抜けてしまう。



サントロさんから文官になるための方法を教えてもらう。

①試験がありそれに合格しないといけない

試験対策は元文官のお爺ちゃん先生にお願いする。

②それなりの立場の人からの推薦状が必要。

サントロさんが書いてくれると言ってくれる。騎士団長なので問題無いらしい。

③人物の確認(間諜の心配)

これは大丈夫。一応伯爵の遠縁となっているから。


これから試験対策をしよう。



朝食が終わり席を立つ時にバーナルに

「ありがとう」

と言ったら

「良かったな」

と返ってきた。私ひとりでは中々言いだせなかったと思うから感謝しかない。



部屋に戻り再度母に文官について聞くと

「沙彩が文官になりたいって思っているというのは知っていたのよ」

と言われた。

「どうして」

「時々、文官の仕事について大奥様に聞いていたでしょう」

「えぇ、まあ」

うん。なんだかんだと大奥様に質問していた。

「それにね。サントロさんが教えてくれたの」

「サントロさんが」

「ナーバル君が沙彩が悩んでいるからってサントロさんに相談したそうよ。心配してくれたのね」

「うん」

ナーバルには私の焦りがわかっていたのかもしれない。だから、今日母の前で話を出したんだろう。ナーバルには学校へ行く時に母と話ができた事を報告しよう。




学校へ行き、先生に文官になりたいのでと試験対策をお願いする。

「サーヤさんは今のままでも合格しますよ。ほっほっほっ」

先生は言ってくださる。

「私は常識がわからないところがあるのでそちらもお願いしたいです」

さらに言うと、

「なるほど」

と頷いて

「それではそちらも勉強しましょうか」

と了承してくださった。



この世界で生きていくために、頑張ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。