第二十五話 現在:ヴァージル・コリンの最期
はい、「現在編」の話です。注意してください。
現在
ローラン、トビー、コリンの三人は、信じられないものを見るような目でメレディスを見つめた。何がそんなに異常なのか分からず、メレディスは尋ねた。「何……何が起きているの?」
「その……剣には……『血の封印』が施されているんだ!」とトビーが言った。
「血の封印?」とリアンナが言った。「古のミスティカリアの超力者工芸品の一つで、特定の血筋の者しか触れられないようにする術式よ」彼女は『ルーメン・ステラルム』を手に持ったままのメレディスを凝視した。「つまり、メレディスがその剣を手にしているということは――」
「赤い髪に緑の瞳」コリンはメレディスを見つめながら言った。「彼女はエンデ・クライオンの末裔だ!」彼は突然メレディスを指さし、叫んだ。「彼女は『大魔王』の血を引いているんだ!」
「えっ? エンデ・クライオン? 『大魔王』? 一体どういうこと?」メレディスは恐怖を覚え始めながら声を上げた。
しかしローランは、まるで何かにハタと気づいたかのような表情でメレディスを見つめていた。「7400万人に1人」彼は言った。「それだったんだ! それが秘密で、鍵だったんだ! エンデ・クライオンの血……そして、アポカロン・カオスの血が」
コリンは明らかに動揺し始めていた。「あの娘は『大魔王』の血を引いているんだ!」彼は立ち上がりながら叫んだ。「彼女こそが鍵だ!カオス・ジェネレーションズは彼女を確保しなければならない!我々には彼女が必要なんだ!」
ローランとリアンナは、怯えた様子のメレディスの前に立ちはだかった。トビーもまた、必死に立ち上がろうとしていた。だが、彼らがまともに反応するよりも早く、コリンはローランとリアンナの足元へ「シールド・エクステンド」のナイフを投げつけた。小規模な爆発が起き、二人は数フィート後方へとよろめかされた。その隙に、コリンは素早くメレディスに飛びかかった。
メレディスは恐怖のあまり悲鳴を上げた。本来なら重すぎて持ち上げられないはずだったが、彼女は本能的に『ルーメン・ステラルム』を構え、防御の姿勢をとった。
『ルーメン・ステラルム』の刃が、コリンの腹部を貫いた。
「えっ?」コリンは、何が起きたのか信じられないといった様子で声を漏らした。彼は自分の「サイリック・シールド」が身を守ってくれると確信していた。それなのに、『ルーメン・ステラルム』はそのシールドを完全に無視したのだ。ソランの「盾切り」のようにシールドを切り裂いたわけでも、電磁パルス発生装置のように無効化したわけでもない。ただ単に、最初からそこには何もないかのように、シールドを無視して通り抜けたのだった。
「ああ……」コリンは、今何が起きたのかを理解し始めた。彼は数歩後ずさり、その動きに合わせて刃が体から引き抜かれた。やがて彼は力なく倒れ込み、仰向けに地面に横たわると、その周囲には血だまりができ始めた。一方、『ルーメン・ステラルム』の刃には、血の跡一つ残っていなかった。「さすがは……伝説の……剣……か……」
「緊急事態だ!」ローランが叫んだ。「メレディス、すぐに彼を治療してくれ!」
メレディスは軽いショック状態にあるようだったが、ローランの命令を聞くとすぐに我に返った。「えっ? ああ! 分かりました!」
「くそっ、肝心な時にエリザベスはどこにいるんだ?」ローランは呟いた。
ちょうどその時、カイルとサーラが到着した。「あれ? 何が起きてるんだ?」とカイルが尋ねた。
「さあ、見当もつかないわ」とサーラが言った。
「やめ……やめてくれ」コリンが言った。「致命傷……ってやつは……すぐに分かる……。これには……治療法なんて……ないんだ」。彼はメレディスの方へ顔を向け、こう続けた。「自分を……責めないでくれよ……嬢ちゃん……。これは……俺自身の……愚かさが……招いたことなんだ」
ローランはしばらくの間、横たわるコリンの姿を見つめていた。やがて彼は言った。「メレディス、その剣を台座に戻してくれるか?」
「も、もちろん」メレディスは言った。彼女は『ルーメン・ステラルム』を持ち上げようとしたが、少し重すぎた。苦戦していると、カイルが近づいてきて、彼女の手の上に自分の手を重ねた。メレディスが顔を上げると、カイルが微笑みかけていた。少し心が軽くなったメレディスも、彼に微笑み返した。二人は協力して、『ルーメン・ステラルム』を台座の本来あるべき場所へと戻した。
「まったく、ひどい……人生だったな」コリンが言った。「路上で育って……それから……カオス・ジェネレーションズに拾われて。仲間ができたと思ったら……そいつらは……全く別の……道を選んだ……。俺には……歩めない……歩もうとも思わない道……。そして最期はこれだ……敵に囲まれて……洞窟で一人……死んでいく……」
トビーはしばらくコリンを見つめていた。やがて彼はローランの方を向いた。「団長」と言いかけたが、首を振って言い直した。「ローラン? ……今は、俺たちを二人きりにしてくれないか?」
ローランは理解したように頷いた。「もちろんだ」彼は言った。「すべてが終わったら、後始末のために別の騎士を寄越すことにしよう。それまでは、君にここを任せる」ローランは出口の方を向き、歩き出した。「皆、行こう」
他の騎士たちは一言も発することなく部屋から出ていき、トビーはコリンと二人きりになった。
トビーは無言のまま、コリンの隣に腰を下ろした。
コリンは驚いて顔を上げた。「何……何をしているんだ?」
「友人の最期に一緒にいて、何が悪いんだ?」
ヴァージル・コリンは驚きの表情でトビーを見つめたが、やがて激痛に顔を歪めながらも、ふっと笑い出した。
そして二人は、かつて幾度となく繰り返したように、とりとめもない話を始めた。
「結婚したらどこに住もうか、考えてるんだ」とトビーは言った。「婚約者は森の中の質素なコテージがいいって言っててね。エンデクライオン本部からそう遠くない、居心地のいい場所がいいかな」
「お前に……婚約者が……?」ヴァージルは言った。「ああ……あの娘のことか……?」
「ああ、彼女だよ」
「じゃあ、彼女は……生きてるんだな……」ヴァージルは言った。「よかった……お互い……大事にし合えよ……」
「ああ、そうするよ。約束する」とトビーは言った。
ついに、ヴァージルは最期の息を引き取ろうとしていた。「……この世界にも……いいことは……あったんだな……結局は……」
そう言い残し、ヴァージル・コリンは息を引き取った。
トビーはしばらくその場に留まり、一筋の涙が頬を伝い落ちた。やがて彼は立ち上がり、「さようなら、ヴァージル」と静かに告げて、その部屋を後にした。
面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。




