第二十三話 現在:ソランとの戦い、デヴローとの戦い
はい、「現在編」の話です。注意してください。
現在
洞窟内に刃がぶつかり合う音が響き渡る。カイルは執拗にソランを斬りつけようと攻め立てた。ソランは軽やかにその斬撃をかわすが、彼自身の攻撃もまた、カイルを捉えることができずにいた。互いに一歩も引かず、まるで一瞬の油断が命取りになりかねない危険な舞踏を踊るかのように、激しい攻防が繰り広げられる。
やがてソランが放った唐竹割りの一撃を、カイルは辛うじて爪を交差させて受け止めた。互いに力任せに押し合おうと、歯を食いしばる。ソランが気づかぬうちに、カイルは二人の間に空気を凝縮させた球体を作り出していた。好機と見るや、カイルはその空気の球を炸裂させる。放たれた強烈な衝撃波に吹き飛ばされたソランは、洞窟の天井に叩きつけられ、苦痛にうめき声を上げた。それは地上でネイサンが繰り出していた技だった。
「へえ、やるじゃん。俺にもこの技、使えたんだな」カイルは明らかに上機嫌な様子でそう言った。
地面に降り立ったソランは、歯を食いしばりながら、ある事実を認めざるを得なかった。カイル・サンダースは、四ヶ月前に戦った時よりも遥かに強くなっていたのだ。「俺が怪我の療養をしている間に、こいつは力をつけていたってわけか」彼はそう呟いた。
カイルがソランに飛びかかり、二人は互いに刃を打ち合った。激しい攻防を続ける中、ソランは撤退すべきかどうか迷い始めていた。目的の剣はそこになく、つまり少なくとも彼が担っていた任務は失敗に終わったことになる。それに、カイル・サンダースの強さは以前とは比べものにならないほど増しており、このまま戦い続ければソラン自身が危険にさらされる恐れもあった。サンダースを確実に倒すなら、今は一度退き、自身の腕を磨いてから再戦するのが最善の策だろう。率直なところ、これ以上ここに留まる理由はなかった。ただ一つ、例外を除いては。
もしもう少しここにいれば、もしかすると――ほんのわずかな可能性だが――ローラン・エカルドが現れるかもしれない。
だが、飛んできた矢によってソランの思考は断ち切られた。彼は間一髪でそれをかわし、自分のあまりの運のなさを心の中で呪った。
案の定、部屋の入り口には弓を構えたサーラ・サンダースが立っていた。
「やあ、順調にやっているみたいね」サーラは笑みを浮かべて言った。
「へっ! 今は最高にいい気分だよ」カイルが応じる。「新しい技を盗めたし、親父の仇を討つチャンスも巡ってきたんだからな」
「同感ね」サーラはそう言うと、次の矢を弓につがえた。「ああ、でも『彼女』の姿を見ても、まだそんなふうに思えるかしら?」彼女はからかうような口調で言った。
カイルは怪訝そうな表情を浮かべた。「はあ? 彼女に何かあったのか?」彼が尋ねると、サーラはただ悪戯っぽく笑ってみせた。
ソランは依然として、自身の不運を呪っていた。サーラ・サンダースがここにいるということは、つまり、到着したばかりのエンデクライオン騎士が、道が三つに分かれた地点で部隊を分散させたことを意味していた。言い換えれば、ローラン・エカルドは別の道を進んだということだ。
「チッ、これ以上ここにいても無駄か」とソランは言った。「お前ら二人の相手はまたの機会にしよう。今は失礼するよ」
「おとなしく逃がすとでも思ってるのか?」とカイルが鋭く言い放った。彼とサーラはソランと入り口の間に立ち、逃走経路を塞いでいた。
「そうはいかないわよ」とサーラ。「今日こそ、あなたを捕まえるんだから!」
ソランはサンダース兄妹を睨みつけながら、「脱出カプセル」を取り出した。そして即座にそれを握りつぶす。閃光と煙、そして何かが弾けるような音と共に、エッグゼービエル・ソランの姿は完全に消え失せた。
サンダース兄妹は驚いて目を丸くした。「えっ? 今何が起きたの?」とサーラが尋ねる。「どこへ行ったの?」
カイルは少し違った様子で、困惑の表情を浮かべていた。「あれって、モルガナ・ブラックハートの能力じゃないか?」と彼は言った。
***
洞窟の反対側では、デヴローと彼に付き従う信徒たちが、エンデクライオン騎士団の騎士たちを相手に持ちこたえていた。デヴローがその強大な力を誇示し、脅威として立ちはだかっていたため、騎士たちは思うように戦えずにいたのだ。
その最中、ネイサンは詠春拳の技を駆使してデヴローに挑んでいたが、デヴローは余裕を持ってその攻撃をいなしていた。「期待外れだな、ネイサンくん」と彼は言った。「正直なところ、君の武術の腕はもっと……」
そこへ突然、アンジェリカが横からデヴローに奇襲を仕掛けた。不意を突かれたデヴローだったが、辛うじて彼女の攻撃を回避した。
「ちっ」とアンジェリカは舌打ちをした。「また失敗ですわ」
「はっきり言っておくが、デヴロー」とネイサンは言った。「お前を倒すのに、僕が全力で戦う必要はないんでね。チームの仲間と共に仕留められる程度で十分なんだ」
デヴローが周囲を見渡すと、信奉者たちはすでに姫神カオリとアンジェリカによって倒されていた。「どうやらそのようだね」とデヴローは言った。「てっきり、君は一匹狼として知られているものだと思っていましたがね」そう言うと、デヴローは地面に両手をつけた。「まあいいでしょう。味方がいなくなったのなら、自分で増援を作り出すまでさ」
デヴローが地面にエネルギーを流し込むと、泥でできた人型の巨大な塊が十体ほど地面から這い出してきた――ゴーレムだ。「来い、我が友よ」とデヴローは言った。「共に戦おう」
ゴーレムたちは一斉に突進し、騎士たちに襲いかかった。乱戦の最中、ネイサンは一瞬デヴローを見失った。だが、再びその姿を捉えるや否や、即座に風の能力を発動させ、一直線に彼へと突撃した。
「逃がさないぞ!」ネイサンはそう叫び、渾身の武術の技を繰り出して相手に猛攻を仕掛けた。だが、次の瞬間、彼は激しい衝撃に見舞われることになる。彼の拳は相手の体をまるで中空の粘土細工のように突き抜けてしまったのだ。彼が戦っていた「フリン・デヴロー」は、ゴーレムだったのだ!
何が起きたのか理解する間もなく、戦っていた「デヴロー」は突如として泥へと液状化し、ネイサンに襲いかかった。彼は背中から地面に叩きつけられ、泥に覆われて固められ、身動きが取れなくなってしまう。
「くそっ!」と彼は叫んだ。周囲を見渡すと、香やノーラもまた、同じように泥に拘束されていた。
「油断しましたわね」アンジェリカがネイサンのすぐ隣に着地しながら言った。「じっとしていて、今助けて……」
「マスター、危ない!」
アンジェリカが反応するより早く、地面から泥の石筍が突如として突き出し、彼女の腹部を直撃した。石筍はさらに伸び続け、ついにはアンジェリカを壁に完全に縫い止めるようにして固定してしまった。衝撃で息を奪われ、アンジェリカは苦しげに喘いだ。
「マスター!」ネイサンは泥に抗いながら叫んだ。「アンジェリカさん!」
近くにいたゴーレムの一つが崩れ落ち、その中から本物のフリン・デヴローが現れた。「いやはや、厄介な手口だったよ」と彼は言った。「だが、任務さえ遂行できればいい。さて、問題は『超力者吸血鬼』をどうやって殺すか、です」
デヴローが近づいてくると、アンジェリカは彼を睨みつけた。デヴローは彼女を冷ややかな目で見つめながら言った。「最も確実な方法は、首を刎ねることだろう――」
「彼女から離れろ!」突然、アンドリュー・エカルドが横から飛び込み、剣をデヴローの顔面に叩きつけた。不意を突かれたデヴローは、後方へと吹き飛ばされた。
普段、「赤い瞳」といえばローランの代名詞だった。ローランは感情を隠さない性格だったため、怒ると母親譲りの特徴的な赤い瞳を露わにすることが多かったからだ。一方のアンドリューは、戦闘中も冷静沈着な態度で知られていた。ローランとは対照的に、戦場で感情を顔に出すことはほとんどなかったのである。だが、今は違った。アンドリューの瞳は、鮮烈な赤色へと変貌していたのだ。
アンドリューはアンジェリカを壁に縫い止めていた柱を凍らせ、粉々に砕き散らした。彼女はようやく呼吸を取り戻し、荒い息の合間に「ありがとう」と小さな声で呟いた。続いてアンドリューは、ネイサンやヴァルキリーたちを拘束していた泥に対しても同様の処置を施した。
デヴローは立ち上がり、顔を拭った。「これは全くの想定外だったな」と彼は言った。
「諦めろ、デヴロー」とアンドリューは言った。「ここではお前の勝ち目はない」
「まだです」とデヴローは言った。「アンジェリカ・セルヴァンスを殺すことは絶対に必要なことだ。たとえ、そのためにこの洞窟全体を崩落させることになったとしてもな」
デヴローが手を叩いた……しかし、何も起こらなかった。
「何だと?」彼は声を上げた。
「『勝ち目がない』と言ったのは、そういう意味じゃないよ」とアンドリューは言った。「僕が言いたかったのは、お前の能力と僕の能力の相性が、決定的に悪いということさ」
その時になって初めて、デヴローはこの巨大な空洞が完全に凍りついていることに気づいた。壁も、天井も、地面も、そしてデヴローのゴーレムたちさえもが、氷漬けになっていたのだ。
「なるほど。確かに君の言う通り、『勝ち目がない』ようですね」とデヴローは言った。「ならば、残念だが『超力者吸血鬼』の始末は、当面の間お預けにせざるを得ないようだ」そう言うと、デヴローは「脱出カプセル」を握りつぶし、閃光と煙と共に即座に姿を消した。
面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。




