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【第四章連載開始!】エンデクライオンの騎士団   作者: E. C. ライリー
第三章:三振りの剣の謎

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第二十二話 過去:エカルド兄弟vs.コロッサイ

はい、「過去編」の話です。注意してください。

過去


「よし、兄さん。まずは兄さんからやってみてよ」とアンドリューが言った。「兄さんがあの『ロゴ』を作りに行ったせいで、それまでの戦いはほとんど僕が引き受ける羽目になったんだからさ」


「それじゃあ」とローランは言った。「まずは、この新しいグラップル・ショットがどれくらい使えるか試してみるよ」


 ローランは右手をコロッサイに向け、小さな爆発音と共にグラップル・ショットを放った……が、グラップルとワイヤーは1メートル半ほど伸びただけで、力なく床に落ちてしまった。


「いやはや、お粗末だったね」とアンドリューが言った。


「わかってるよ」とローランは気まずそうに言った。「まだ練習が必要だな」


「リアンナにそれを見せるつもりなら、もっとマシな腕前になっておかないとね」とアンドリューが言った。


「どういう意味だ?」とローランが噛みついた。


 コロッサイは信じられないといった様子で兄弟を見つめた。このガキどもが、ここにいた新兵や信徒を全員倒したというのか? 激しい怒りがこみ上げ、彼は怒りの咆哮を上げながらエカルド兄弟に向かって突進した。


 コロッサイがウォーハンマーを叩きつけた際、ローランは身構えるのが精一杯だった。彼は苦悶の声を上げながら吹き飛ばされ、壁に激突した。


 続いてコロッサイはアンドリューへと矛先を向けた。彼がウォーハンマーを振り下ろす中、アンドリューは辛うじて笠を盾のように構え、氷でそれを強化した。コロッサイは容赦なくアンドリューを打ち据え続ける。氷、笠、そしてサイリック・シールドという三重の防御を施していても、アンドリューはその一撃一撃の衝撃を骨の髄まで感じていた。


 コロッサイがアンドリューの防御を打ち砕こうと猛攻を加え、また一人エンデクライオンの騎士を倒したという満足感と高揚感に浸りかけたその瞬間、ローランが炎を纏った飛び蹴りを彼の顎に叩き込んだ。


 コロッサイは顎を押さえながらよろめき、信じられないといった様子でローランを見つめた。「何だって?」と彼は声を上げた。ある考えが頭をよぎったが、すぐにそれを打ち消した。


「よし、一発当ててやったぞ!」とローランが叫んだ。


「いいぞ、よくやった」とアンドリューは言い、笠を再び頭にかぶり直した。「少しずつ追い詰めていこう」


 ローランはコロッサイに飛びかかり、炎を纏ったドロップキックを叩き込もうとした。コロッサイは腕を掲げてその一撃を防ぐ。しかしローランは攻撃の手を緩めず、炎の力で空中に身を浮かせたまま、コロッサイの巨体に次々と蹴りを浴びせ続けた。やがてコロッサイはローランの脚を掴み取り、彼を床に叩きつけた。


 コロッサイがローランに追撃を加えようとしたその時、自身の足元が氷に覆われていることに気づく。そのまま、アンドリューは氷の刀身をコロッサイの顔面に叩きつけた。怒りの咆哮を上げ、コロッサイは圧倒的な怪力で氷を粉砕した。アンドリューが再び刀を振り下ろそうとすると、コロッサイはウォーハンマーを叩きつけ、氷の刀身を完全に砕き散らした。さらに空いた手でアンドリューの顔面を殴りつけ、彼を後方へと吹き飛ばした。


 だが、その隙にローランは態勢(たいせい)を立て直していた。彼は跳躍(ちょうやく)と同時に、炎を纏った蹴りをコロッサイの顔面に叩き込む。信じられない光景に、コロッサイは再びよろめきながら後ずさった。「な、なぜガキのくせに……こんなに強いんだ!?」と彼は叫ぶ。先ほど抱いたある疑念が再び脳裏をよぎったが、彼はそれを即座に打ち消した。代わりに、彼は再び怒りの雄叫びを上げ、ウォーハンマーを荒々しく振り回しながら兄弟へと突進していった。


 兄弟は二人とも、彼を迎え撃つ構えをとった。ローランは拳に炎を纏い空手の構えをとり、一方のアンドリューは氷で刀身を再生させ、「霞(かすみ)の構え」をとった。コロッサイが激昂(げっこう)のあまり我を忘れて突進してくると、二人はタイミングを合わせ、ローランの炎の一撃とアンドリューの氷の一撃を同時に叩き込んだ。その衝撃で、コロッサイは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。


 朦朧(もうろう)とする意識の中で立ち直ろうとするコロッサイの脳裏に、先ほど抱いたのと同じ疑念が再びよぎった。そして今度は、それを打ち消すことができなかった。


(このガキどもは、ノーラン・アーセナルよりも強いのか?)


「いや、ありえない」とコロッサイは呟いた。故ノーラン・アーセナルはコロッサイにとって最大のライバルであり、彼がどうしても打ち負かすことのできなかった唯一のエンデクライオン騎士だった。生涯に一度の天才、そして伝説とまで称された男だ。無名の新人ガキ二人が彼よりも強いなどという考えは、到底理解しがたいものだった。


 張浩宇(チャン・ハオユー)が目を覚ましたのは、ちょうどその頃だった。意識がまだ朦朧とする中、ふらつく足取りで立ち上がった彼だったが、エカルド兄弟の姿を認めるや否や、即座に剣を掴み、怒りの雄叫びを上げながら突進した。


 ローランは背後を振り返りもせず、張(チャン)の腹部に肘打ちを食らわせた。「雑魚なんか」――ローランは張(チャン)の脛を激しく蹴り上げ、「相手にしてる暇は」――拳の甲で張(チャン)の顔面を殴打し、「ないんだよ!」――最後の一撃として炎を纏った拳を張(チャン)の顎に叩き込み、彼を後方へと吹き飛ばした。


「ざ、雑魚……?」張(チャン)は呟き、自分を冷ややかな目で見下ろすローランを見上げた。ローランにしてみれば、それは単に、始末が確実だったかを確認するために張(チャン)を一瞥したに過ぎなかった。だが張(チャン)の目には、自分を考慮に値しない塵芥(ちりあくた)のようにあしらう「怪物」の姿が映っていた。「こ、こいつらがエンデクライオン騎士団の騎士だってのか?」視界の端で、兄弟がコロッサイと戦っているのが見えた。伝説の「シャドウ・ストーカー」であるマクシミリアン・コロッサイが、遅々としてではあるが確実に、圧倒されていた。「こ、こんな連中と戦えって言うのか?」パニックに陥り、這うように逃げ出そうとする張(チャン)は、恐怖のあまり失禁しそうになっていた。「い、嫌だ! そんなの嫌だ! こんな怪物たちと戦うなんて御免だ! こいつらと戦わなきゃいけないなら、シャドウ・ストーカーになんてなりたくない! 助けてくれ! 誰か助けてくれ!」


 コロッサイは荒々しくハンマーを振り回しながら、次第に追い詰められ、焦燥感を募らせていった。「ありえない! こんなこと、ありえないはずだ!」と彼は叫ぶ。「お前らのような名もなきガキどもが、これほど強いなんて!」


「効いてきてるみたいだね」とアンドリューが言った。


「ああ」とローランが応じる。「例の決め技を試そう」


「いつでもいいよ」とアンドリュー。


 アンドリューが少し後退する一方で、ローランは敵の懐へと飛び込んだ。コロッサイが乱暴に振り回すハンマーを、巧みな身のこなしでかわし、くぐり抜けていく。そして十分な距離まで近づくと、ローランはコロッサイの腹部に拳を叩き込んだ。強烈な一撃に息を呑んだコロッサイがくの字に折れ曲がる。だが、彼が地面に倒れ込むより早く、ローランは素早くその体を下から支え上げた。


「くそっ……重いな!」とローランは唸り声を上げた。全身の力を振り絞り、彼はコロッサイを担ぎ上げ、肩越しに前向きの体勢で固定する。「アンドリュー!」


「準備完了だ!」とアンドリューが叫ぶ。


 ローランは背中から炎を噴射させると、コロッサイを担いだままロケットのような勢いでアンドリューに向かって突進した。一方のアンドリューは、攻城槌(バタリング・ラム)ほどの大きさがある氷の拳を出現させていた。コロッサイが呆然と見つめる中、ローランはロケット突進の勢いそのままに、敵の顔面をその氷の拳へと叩きつけた。鈍い衝撃音が響き渡る。


 ローランはコロッサイを床に放り出した。意識を失った彼は、完全に打ち負かされていた。


 戦いが終わり、ローランとアンドリューは興奮が冷めるにつれて、ふうっと息を吐き出した。「やったぞ!」ローランはそう言ったが、その口調には、自分たちが成し遂げたことをまだ完全には信じられていないような響きがあった。


「やったね!」アンドリューが声を弾ませた。「初めて『シャドウ・ストーカー』を倒したんだ!」


「信じられないよ!」ローランも叫んだ。だがすぐに我に返り、こう言った。「祝うのは後だ。任務が先決だ」


「そうだな」とアンドリューが応じた。


 二人は急いで、トビーとアンヌリーゼを残してきた場所へと戻った。ローランは「よし、寄り道はここまでだ。行かないと……」と言いかけたところで、トビーの表情を見て尋ねた。「どうしたんだ?」


 トビーは床に座り込み、まだアンヌリーゼを抱きかかえていた。しかし、その目は信じられないものを見るかのように、ローランとアンドリューに向けられていた。「き、君たち……今、コロッサイ教官を倒したのか?」


「えっ?」アンドリューが聞き返した。彼もローランも、当惑した表情を浮かべていた。


「き、君たち……今、マクシミリアン・コロッサイを倒したんだぞ」トビーがもう一度言った。


 ローランとアンドリューはトビーを見つめた。今度は彼らの方が、信じられないという表情を浮かべていた。「いや、まさか、ありえない!」ローランが言った。「さっき倒した相手がマクシミリアン・コロッサイだなんて、そんなはずがないじゃん」


「間違いない、本当だ」とトビーは断言した。


「ありえないよ!」ローランは言った。「マクシミリアン・コロッサイといえば、『シャドウ・ストーカー』の中でも大物だぞ。確かに、さっき倒した相手も弱くはなかったけど、俺たちみたいな新人が、初めて戦った『シャドウ・ストーカー』でコロッサイみたいな大物を倒せるわけがないじゃん」


「えーと、もしかしたら調子が悪かったとか?」アンドリューがそう提案してみたものの、その口調からは、彼自身もさっき倒した相手がコロッサイだったとは信じられない様子がうかがえた。


 ローランとアンドリューは、当惑した表情を浮かべたまま、互いとトビーを交互に見つめ続けた。やがてローランが口を開いた。「今は油売っている場合じゃない。ここから出るべきだ」

 

***


 数分後、目を覚ましたヴァージル・コリンが目にしたのは、惨状と化した現場だった。エンデクライオン騎士達の姿はすでになく、彼らはトビーとアンヌリーゼを連れ去っていた。新兵や信徒の多くは、まだ意識を失ったまま倒れている。張浩宇(チャン・ハオユー)の姿もどこにも見当たらない。


 ふらつく足取りで立ち上がると、ヴァージルは意識を失っているコロッサイの元へと歩み寄った。「教官?」と声をかけながら、彼はコロッサイの体を揺さぶって起こそうとした。


 コロッサイは悲鳴を上げて目を覚ました。「ありえない! ありえない!」と彼は叫ぶ。「あいつらがこれほど強いはずがない! これほど強いはずがないんだ!」コロッサイは叫び続け、体を前後に揺さぶり続けた。


 ヴァージルは、打ちのめされたコロッサイの姿をしばらくじっと見つめていたが、やがて周囲を見渡し、その破壊の光景を眺めた。やがて彼の顔に狂気を帯びた笑みが浮かび、彼は高笑いを始めた。体を揺らしながら震えていたコロッサイが次第に静まっていく中、荒廃した訓練場に響き渡っていたのは、ヴァージル・コリンの笑い声だけだった。

面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。

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