第十八話 現在:三つの戦い
はい、「現在編」の話です。注意してください。
現在
洞窟の深部へと足を踏み入れたフリン・デヴローは、ついに最奥の広間へとたどり着いた。そこは質素な広間で、突き当たりには石の台座が置かれていた。だが、その台座の上には何もなく、空っぽだった。
「奇妙だ、実に奇妙だな」とデヴローは言った。「剣がない」彼は台座を調べ、こう続けた。「それに、どうやらここには最初から剣などなかったようだ。ということは、三本の剣はすべて洞窟内の別の場所にあるのか? それとも、そもそも『三振りの剣』など、この洞窟には存在しなかったということか」
「デヴロー!」
デヴローが顔を上げると、ネイサン・アーセナル、アンジェリカ・セルヴァンス、そして二人のヴァルキリーが広間に駆け込んでくるのが見えた。デヴローに同行していた信徒たちが武器を構える中、デヴロー自身は冷静にエンデクライオン騎士団の面々を観察していた。
「香さん、戦闘の準備を」とネイサンは言った。「マイケルズさん、少し下がっていてください。回復が必要になるかもしれませんから」
治癒騎士ノーラ・マイケルズ(かつて授業中にネイサンへ来客を知らせた少女)は頷き、広間の入り口付近まで下がった。
「よし、デヴロー。戦いたいってか? いつでも相手になってやるよ」とネイサンは言った。
「ネイサンくん、君と戦いたいのは山々だが、このような状況では直ちに撤退せよという闇の預言者様からの命令を受けているんだ」とデヴローは言った。「……と言いたいところだが、君がアンジェリカ・セルヴァンスを連れてきているとなれば話は別だ」
アンジェリカは片方の眉を上げた。「あら? 私が決め手になるというわけ? 光栄なことですわね」
「実際、僕は君こそが闇の預言者様にとって最大の脅威になり得ると以前から見なしていました」とデヴローは言った。「だからこそ、戦場で君に遭遇した際には、たとえ闇の預言者様から別の命令を受けていたとしても、君の排除を最優先事項とすることに決めていたんだ」
「本当に厄介なことですわね」とアンジェリカは言った。
「マスター、下がっていてください」とネイサンは言った。「もしあなたがデヴローの標的なら、関わるべきではありません」
「馬鹿なことを言わないでくださいの、私の愚かな弟子」とアンジェリカはきっぱりと言い放った。 「そんなことを言われて、私が……」アンジェリカは、地面が揺れ始めたのを感じて言葉を止めた。彼女は信じられないといった様子でデヴローを見つめ、「何ですって?」と問いかけた。
「やめろ、デヴロー!」ネイサンが叫んだ。「お前は『地』の属性を持つエレメンティアンだ! ここでその力を使えば、洞窟ごと崩落させかねないぞ!」
「『不死の超力者吸血鬼』を滅ぼせるなら、それくらいの危険は冒す覚悟です!」デヴローは言い放った。
アンジェリカはデヴローを睨みつけ、「このクソ野郎!」と吐き捨てた。
***
洞窟の奥深くへと進んだエッグゼービエル・ソランは、ついに最奥の広間へとたどり着いた。そこは質素な空間で、突き当たりには石の台座が置かれていた。だが、その台座の上には何もなく、空っぽだった。
「空の台座か」とソランは呟き、台座に歩み寄ってそれを観察した。「まさか、骨折り損だったわけじゃあるまいな」
広間の入り口付近で物音がしたため、ソランが顔を上げると、彼に同行していた部下たちがカイル・サンダースによって気絶させられているのが見えた。
カイルは手を払って汚れを落とすと、ソランの方へと視線を向けた。無言のまま、彼は爪を構えた。
ソランはガントレットの刃を展開した。広間を回りながら、彼は言った。「どういうつもりだ、小僧? また俺に負けに来たのか?」
「俺がお前に負けた?」カイルは言った。「俺の記憶じゃ、負けたのはお前の方だぞ」
「俺が負けたのは、お前と妹、そしてエカルドのチームに対してだ」とソランは言った。「氷の彫刻祭でお前と一対一で戦った時は、俺の完勝だった――」
再び頭痛に襲われ、ソランは言葉を止めた。歯を食いしばりながら、ある疑問が脳裏をよぎる。(そもそも、なぜ俺は氷の彫刻祭にいたんだ? そして、カイル・サンダースは本当に一人だったのか? )だが、いくら考えても、ソランはカイルが誰かと一緒にいたかどうかを思い出せなかった。ただ、「赤」という色に関する何かが、かすかに記憶に残っているだけだった。
カイルはソランが痛みに苦しんでいることに気づかなかった。彼はその場で軽く跳ねて体をほぐしながら言った。「なら、俺の戦績にある汚点を修正しなきゃいけないな」
頭痛が消え、ソランは即座に目の前の敵へと意識を戻した。「ならば来い、カイル・サンダース!」と彼は叫んだ。「お前の父親を送ったあの場所へ、お前も送ってやる!」
二人の戦士は互いに飛びかかり、全力の決闘を繰り広げた。
***
洞窟の奥深くへと進んだ末、ヴァージル・コリンはついに最奥の広間へとたどり着いた。そこは質素な広間で、突き当たりには石の台座が置かれていた。そして、その台座には一本の剣が直立した状態で据えられていた。
それは美しい剣だった。銀色の両刃の剣身が、石の台座に突き刺さっている。柄の鍔部分は純金製の円盤状で、周囲に棘が放射状に伸びており、全体として太陽や星のような形を成していた。棘に沿って緑色の宝石があしらわれ、円盤の中央には大きなエメラルドが一つ埋め込まれている。柄頭にもエメラルドが嵌め込まれ、握り部分は緑色をしていた。柄頭から剣先までの全長は、およそ一メートルほどだった。
「ルーメン・ステラルム」とコリンは言った。「星の光――エンデ・クライオンの剣だ」
コリンは剣へと歩み寄った。その足取りはゆっくりと、まるで聖なるものに接するかのような敬意を帯びていた。だが、剣の柄を掴もうとした瞬間、彼は電気的な破裂音と共に手を弾き飛ばされた。コリンは痛みに顔をしかめながら、とっさに手を引っ込めた。
「血の封印か」と彼は呟いた。「つまり、エンデ・クライオンの末裔にしか扱えないというわけだ」コリンは剣を観察した。「もっとも、扱えなくとも、例えば布に包むなりすれば剣そのものを運び出すことは可能だろうが」コリンは鼻で笑うと、広間の入り口に立つ人物の方を振り返った。「だが正直なところ、そんなことはどうでもいいんだ」
入り口に立っていたのはトバイアス・ハートウェルだった。彼はコリンを凝視し、問いかけた。「教えてくれ。なぜ『三振りの剣』を盗もうとした?」
「実のところ、計画の内容なんてどうでもよかったんだ」コリンはそう認めた。「『三振りの剣』だの、『闇の預言者』の筆頭弟子という地位だの、そんなものにはこれっぽっちも興味がない。俺が求めていたのは『決着』だ。昔、起きたことへの、決着さ」
「決着、か」とトビーは言った。
「ああ、決着だ」コリンは続けた。「俺に必要だったのは、『エンデクライオンの騎士団』の目を引くほど常軌を逸した計画だった。いや、正確には……お前の目を引くほど常軌を逸した計画が必要だったんだ」トビーが目を細めると、コリンはくすりと笑った。「おいおい、いつかこうなることは分かっていたはずだろ」
「ああ、いつかこうなることは分かっていたさ」トビーは鎌を構えながら言った。「お前が俺の背中にナイフを投げつけた、あの日の時からな」
コリンは狂気じみた笑みを浮かべた。「なら、ここで決着をつけようぜ、トバイアス・ハートウェル!」彼は叫んだ。「今日こそが、俺たちのすべてに終止符を打つ日だ!」
「かかってこい、ヴァージル・コリン!」トビーもまた、狂気的な笑みを浮かべて叫んだ。「決着をつけてやろう!」
戦う二人は、どちらも笑みを浮かべていた。
だが、そのどちらも、微笑んではいなかった。
面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。




