第十四話 現在:話は動く
はい、「現在編」の話です。注意してください。
現在
「日本に行けるなんて信じられない」とリアンナは言った。彼女はストームVTOLジェット号の座席に座り、興奮を隠しきれない様子だった。「任務があるのは分かってるけど、秋葉原に行く時間くらいはあるかな?」
「ああ、間違いなくね」とローランもまた、嬉しそうに言った。「日本に行くなら、楽しまなきゃ損だろ」
「おいおい、二人とも」と操縦席のアンドリューが言った。「日本へ行くのは仕事であって、遊びじゃないってことは分かっているよな?」アンドリューは操縦桿に視線を戻し、こう付け加えた。「まったく、僕がそんなことを言う羽目になるなんて」
「あ、ごめんなさい」とリアンナは言った。「緊張のあまり、気を紛らわせようとしてただけなの。エンデクライオン騎士としての初めての任務だから」
「あまり深く考えすぎないことだ」とアンドリューは言った。「それに、君は彼女よりはずっとうまくやっていると思うよ」
アンドリューが言った「彼女」とはメレディスのことだった。彼女は座席に座っていたが、近づく者を焼き尽くさんばかりのオーラを放っていた。少なくともその身のこなしからは、敵意を少しでも見せた相手には即座に噛みつくような雰囲気が漂っていた。彼女の隣にはサーラが座っており、少し不安げな様子だった。
「あの、メレディス」とサーラは言った。「お兄ちゃんは別に何も悪いことはしてないってこと、分かってよね」
「私が怒っているのは彼に対してじゃないわ」とメレディスは低く、危険な響きを帯びた声で言った。「ただ、あの娘たちに会って、私の男にちょっかいを出さないよう釘を刺しておきたいだけよ」
「やれやれ、今日は機嫌が悪いみたいだね」とアンドリューは呟いた。
「彼女がこんな風になったのは、あんたのせいよ!」とサーラは言い放った。「お兄ちゃんがあっちで女子高生たちと楽しくやってるなんて言ったからでしょ」もっとも、アンドリューも気まずそうにバツの悪そうな顔をしていたが。
「えーと、メレディス」とローランが言った。 「気持ちはわかるけど、そんなふうに露骨に独占欲をむき出しにしていたら、カイルを追い払うことになっちゃうよ」
その言葉で、メレディスは我に返ったようだった。「え? ああ、そうだね」彼女はそう言うと、明らかに落ち着きを取り戻した様子だった。
「エリザベスが一緒に来られないのは残念ね」と、リアンナは話題を変えた。
「トビーの婚約者は、完全に健康だとお墨付きをもらうための最後の検査を控えているんだ」とローランは言った。「エリザベスはこの3年間、治療に専念してきたから、最後までしっかりやり遂げたいと思っているんだよ。検査が終わればすぐに、二人とも日本で合流する予定だ」
「日本といえば、着陸まであと1時間ほどだよ」とアンドリューが言った。「皆さん、シートベルトを締めてください。まもなく降下を開始します」
***
聖アヴィントン・インターナショナル・スクールの敷地外に広がる森の中で、「カオス・ジェネレーションズ」の面々が集結し、襲撃の準備を進めていた。その場には少なくとも百名もの信徒たちが控えている。作戦を指揮するのは、エッグゼービエル・ソラン、ヴァージル・コリン、そしてフリン・デヴルーという三人の「シャドウ・ストーカー」たちだった。
フリン・デヴルーは、一風変わった若者だった。文字で描写するだけなら、それほど際立った特徴はない。背丈も体格も平均的で、シンプルな立ち襟のグレーのスーツを身にまとった青年――それが彼だ。もちろん、そうした説明だけでは、肩まで届く雪のように白い髪や、白に近いほど青白い肌、感情を一切読み取れない無機質で中立的な表情、そして年齢を感じさせない独特の佇まいまでは伝わらないだろう。その青い瞳は、彼がアルビノではなく、リューシスティック(白変種)であることをうかがわせた。
現在、「カオス・ジェネレーションズ」のメンバー全員が、アルカンタラのホログラム映像と思われるものの周囲に集まっていた。
アルカンタラは、襲撃の準備を整える部隊の様子を眺めながら言った。「どうやら、攻撃の準備は整ったようね」
「はい、御方様」とコリンが答えた。「ご命令があれば、すぐにでも開始できます」
「始める前に、いくつか言っておくことがあるわ」アルカンタラは続けた。「フリン、その装置を配ってちょうだい」
デヴルーは無言で頷くと、ビー玉ほどの大きさの、無色透明なプラスチック製球体を、すべての信徒と他の二人のシャドウ・ストーカーに配り始めた。
「御方様?」とソランが尋ねた。
「彼女が死ぬ前、私はモルガナ・ブラックハートに、フリンと協力してこの装置を作らせていました」アルカンタラは言った。「これは『エスケープ・カプセル』よ。中にはモルガナの『エレメンティアン』としての力がわずかに封じ込められているわ。短距離を瞬間移動する能力をね。いざという時はこのカプセルを割れば、一度だけ瞬間移動して逃げることができるわ」
「なるほど」とソランは言った。「ありがとうございます、御方様」
「それから、最後に一つ警告しておくわ」アルカンタラは言った。「これが最後よ!」
「最後、ですか?」ソランとコリンは困惑した様子で尋ねた。
「もしこの任務に失敗したら、私は『首席の弟子』という地位を廃止するわ」アルカンタラは、その場にいるカオス・ジェネレーションズのメンバー全員を睨みつけた。「ここ数ヶ月で、その地位を求めてあまりにも多くの信徒やシャドウ・ストーカーを失いすぎた。もうこれ以上は容認できないわ。だから、この任務が最後のチャンスよ。もし失敗に終われば、私は二度と弟子を取らない。それに、それでもなおその地位を求めようとする愚か者がいれば、組織から追放するわ」
「わ、わかりました」とコリンが言った。
アルカンタラは続けた。「だから、もし任務の成功は不可能だと判断したなら、迷わずそのカプセルを使いなさい」彼女は彼らを睨みつけ、特にソランに対してはしばらく視線を留めた。「自尊心を満たすためにその場に残ったりしないで! 執着心に負けたりもしないで! 命令に背くような真似は決して許さないわ!」ソランは身をすくめた。彼女がローラン・エカルドに対する自身の執着について話していることを、痛いほど理解していたからだ。
「以上の点に異存がなければ」とアルカンタラは言った。「任務を開始してよい」
面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。




