第九話 現在:ネイサン・アーセナル
はい、「現在編」の話です。注意してください。
現在
一行は、女子生徒が受けている1年生向けの英文学の授業が行われている教室へと向かった。教室に入った途端、カイルはすぐに理解した。なぜアンドリューがあれほど熱心にこの任務に志願したのか、そしてなぜローランが即座にそれを却下したのかを。
教室は女子生徒で埋め尽くされていた。体格も国籍も様々な約30人の女子高生たちがおり、彼女たちは皆、それぞれに魅力的な容姿をしていた。熱心にノートを取る者もいれば、おしゃべりに興じる者もいる。だが、大半の生徒の視線は目の前のものに向けられていた――もっとも、それは授業の内容に対してではなかったが。
教師は講義と黒板への板書に夢中で、生徒たちが自分にどんな視線を向けているかなど全く気づいていない様子だった。彼は16歳くらいのハンサムな若者で、金色のボタンがついた青いスーツに赤いネクタイを身につけていた。眼鏡をかけており、そのレンズ越しに見える灰色の瞳がいっそう際立って見えた。何よりも目を引いたのは、豊かな赤髪だった。カイルは、それがメレディスの髪よりも一段明るい色合いであることに気づいた。
現在、その教師は『カンタベリー物語』についてかなり熱のこもった講義を行っていた。「さて、それぞれの登場人物を詳しく検討してみましょう」と、彼はわずかにイギリス訛りのある口調で言った。「各登場人物が社会の中でどのような役割を担っているか、そしてチョーサーが彼らについて何を語ろうとしているのかを考察してほしいのです。彼は彼らを称賛しているのか、それとも批判しているのか。そして、それぞれの分析を他の登場人物と比較して……」
「あの、アーセナル先生?」前髪を重く下ろした黒髪の少女が、おずおずと手を挙げながら言った。
「はい、マイケルズさん?」
「えっと、お客様がいらしています」
「相変わらずのネイサン・アーセナルですね」とアンジェリカが言った。
教師は顔を上げ、アンジェリカの姿を認めて明らかに驚愕した。「えっ? マスター……うわっ!」突然の反応にバランスを崩し、彼は足を滑らせて床に転げ落ちた。女子生徒たちの多くが一斉に笑い声を上げたが、中には心配そうな表情を浮かべる者もいた。
その時、チャイムが鳴った。生徒たちが荷物をまとめ始めると、教師は立ち上がり、こう言った。「いいかい、みんな。明日は『カンタベリー物語』の最初の5つの話の中から好きなものを一つ選び、それについて段落一つ分の簡単な分析を書いてきてもらいたい。授業が始まったらすぐに提出するように」 生徒たちが教室を出ていくと、彼はグループの方を向き、「みなさん、よく来てくれました」と声をかけた。
「久しぶりです」とトビーが言い、カイルの方を向いて続けた。「カイル・サンダース、こちらがネイサン・アーセナルです」
「はじめまして」とネイサンが言い、カイルに手を差し出した。
「えーと、こちらこそ」とカイルは答え、差し出された手を握った。
「よし、それじゃあ、みんな席に着いてくれるかな? すぐに始めよう」
一行が机に着くと、カイルはおずおずと尋ねた。「あの、本題に入る前に少し別の話をしてもいいかな? なぜ俺たちが『エンデクライオンの騎士』として学校に集まっているのか、誰か俺に説明してくれないか?」
「ああ、知らなかったのかね?」と武田が言った。「聖アヴィントン・インターナショナル・スクールは、名門私立学校であると同時に、秘密裏に『エンデクライオン騎士団』アジア支部の本部でもあるんだ」
「カツヨシの言う通りです」とネイサンが続けた。「すべては19世紀に遡ります。当時、エンデクライオンはアジアに支部を設立しようとしていました。当初は中国への設立を検討していたんだが、19世紀を通じて現地の情勢があまりに不安定だったんですよ。そんな折、日本では明治維新が起こり、やがて廃刀令が布告された。エンデクライオンはこの機を逃さなかったんです。彼らは日本各地を巡り、上級職超力者である元侍たちを探し出し、『エンデクライオンの騎士』として日本で刀を帯び続ける道を示したんですよ。それ以来、エンデクライオンの日本支部は活動を続けています」ネイサンは一呼吸置くと、こう付け加えた。「まあ、政治的な理由で閉鎖されていた1933年から1947年の期間を除けば、の話ですがね。とにかく、なぜ横浜が支部の所在地に選ばれたかというと……驚くべき偶然の一致で、この神奈川の地で『封印の洞窟』が発見されたことが判明し――」
「えーと、単に『この学校がエンデクライオン日本支部を兼ねている』という説明だけでよかったんだけど」とカイルは言った。「歴史の授業までは求めていなかったんだから」
アンジェリカが吹き出し、ネイサンは気まずそうな表情を浮かべた。「ああ、えーと、すみません」
「ネイサンは、一瞬たりとも『教師』であることをやめられないのですわね」とアンジェリカは言った。
「今日は少し手厳しいですね、マスター」とネイサン。
「いつもそうじゃないかしら?」とアンジェリカは言い返した。
「まあ、少なくとも『封印の洞窟』について触れてくれたのはよかったですよ」とトビーは言った。「カオジェンが向かうのはそこですからね」
「つまり、その『封印の洞窟』こそが、『三振りの剣』が再発見された場所なのかい?」とカイルが尋ねた。
「その通りじゃ」と姫神校長は言った。「『封印の洞窟』は、何世紀にもわたって我が一族が守り続けてきた場所なのじゃ。言い伝えによれば、古墳時代に遠く西の地からやってきたある男がこの地を訪れ、洞窟の中に何かを隠したそうじゃ。そして彼は地元の人々に、やがて『エンデクライオンの戦士』がそれを受け取りにやってくるその時まで、洞窟を守るよう託したのじゃ。その男の子孫は地元の人々と同化し、長い年月を経て『姫神』という武士の一族となりおうた。やがて、『エンデクライオンの騎士団』が日本各地を巡り、団員を募りながら支部を置く場所を探しているという噂がわしの先祖の耳に入ると、姫神家は直ちに騎士団を領地に招き入れ、自分たちが守ってきたものについて説明した。当時、我らが守っていたものの正体を知った騎士たちは、大変な衝撃を受けたそうじゃ。ともあれ、姫神家と協力関係を築いたエンデクライオンの騎士団は、姫神家の先祖伝来の地――すなわち『封印の洞窟』の真上に位置する土地――に支部を設立した。それが後に、聖アヴィントン・インターナショナル・スクールとなったのじゃ」
「『封印の洞窟』は、この学校の地下、地表から何キロにもわたって広がる巨大な洞窟群のことです」と武田は言った。「『三振りの剣』はその最深部に封印されています。カオス・ジェネレーションズの連中がそこまで足を踏み入れるのは容易なことじゃないですよ」
「それでも、入り口で食い止めるのが最善の策だろう」とトビーは言った。「相手にするシャドウ・ストーカーはエッグゼービエル・ソランとヴァージル・コリンです。おそらく多くの信徒も連れてくるはずです。他に何か予想されることは?」
「おそらくフリン・デヴルーと手を組むだろう」と武田は言った。「彼はここ数ヶ月、日本で活動しているシャドウ・ストーカーです。すでに何度か我々を脅かしている相手でもあります」
「まったく、シャドウ・ストーカーが3人かよ」とカイルは不満げに呟いた。
「それで、ネイサン」とアンジェリカが言った。「あなたのその新チームで、この任務をこなせると思いますの?」
ネイサンは明らかに顔をしかめた。「どうだろうな」と彼は言った。「まだ結成されたばかりだし、副官もまだ合流していないし。相手はシャドウ・ストーカーが3人ですから。今の段階の彼女らには、少し荷が重すぎるかもしれません。それに、彼女らを危険な目に遭わせるなんて、昔からどうも気が進まないんだ。正直なところ、できるなら自分一人で片付けてしまいたいよ」
「相変わらずの一匹狼ですわね」とアンジェリカは言った。「とにかく、少なくとも何が起きているかくらいは彼女らに知らせておくべきですのよ。あの娘たちの性格は知っているでしょ。秘密にしておこうとすれば、作戦中にこっそり洞窟の入り口までついてきて、結局は戦いに巻き込まれることになりますわ。不意を突かれるより、心の準備をさせておくほうがマシですのよ」
「彼女ら?」とカイルが言った。彼はネイサンの方を向き、「お前のチームは女子だけで構成されているのか?」と尋ねた。
アンジェリカはにやりと笑って言った。「さっき会ったばかりじゃない。このクラスの生徒たちですのよ」。彼女は肩をすくめ、こう続けた。「まあ、その一部ですけどね」
面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。




