第六話 現在:三振りの剣の歴史
はい、「現在編」の話です。注意してください。
現在
ヘレン・エカルドの誕生パーティーの翌朝、ローラン、リアンナ、アンドリュー、カイル、サーラ、メレディス、そしてアンジェリカの一行は、エレベーターを降りてエンデクライオン本部の大広間へと足を踏み入れた。彼らに同行していたのは、黒い聖職者用の法衣をまとったジョナサン・ハワードだった。騎士たちは皆、それぞれの専用の騎士装束を身にまとっていた。ローランは赤と青を基調とした武闘家風の衣装に、黄色の靴底を持つ白いブーツ、そしてグラップル・ショットを仕込んだ白い手袋を着用していた。アンドリューはローランの衣装の白バージョンに加え、藍色のスモック、白足袋と下駄、笠を身につけ、仕込み杖を携えていた。カイルは赤いベストと青いズボンを着用し、爪を隠すための籠手を腕に装着していた。サーラは白いローブの上に茶色のフード付きポンチョを羽織り、背中には弓矢を背負っていた。アンジェリカはパーティーの時と同じ「ゴスロリ」風のドレスとボンネットを身につけており、メレディスは治癒騎士見習いの標準装備である白いエプロンドレスを着用していた。
中でもひときわ目を引いたのはリアンナの装束だった。彼女は、胸当て(キュイラス)、肩当て(ポールドロン)、腹当て(プラッカート)、腰当て(タセット)、籠手、脛当て(グリーブ)、足甲当て(サバトン)からなる中世風の鎧を身にまとっていた。その鎧の下には、長袖シャツとミニスカートが一体となった青いワンピースと、白いズボンを着用していた。さらに、腰当ての下からは威厳ある青いマントがたなびいていた。長い髪は高い位置でポニーテールに結ばれ、腰にはレイピアと、ローランから贈られた受け流し用の短剣「マン・ゴーシュ」が帯びられていた。そして、胸当ての中央にはミストカリア王国の紋章が描かれていた。
リアンナのその鎧姿は、彼女が騎士団の中で担う特別な地位を反映したものであった。入団当初、彼女にはある称号が与えられていた。それは長年使われていなかったものの、彼女のために特別に復活させられたものだった。その称号とは「王室連絡騎士」――ミストカリア王国の王位継承者がエンデクライオン騎士団に入団する際にのみ与えられる特別な称号である。実のところ、リアンナの鎧はミストカリア王家の伝統的な鎧を独自に改良したものだった。もちろん、彼女は「王家連絡騎士」という儀礼的な肩書きこそ持っていたものの、実質的には単なる戦闘騎士見習いに過ぎなかった。
リアンナはメインホールを見渡した。「ここにはもう何度も来ているけれど、パインシャックル・フォレストの地下にこんな施設があるなんて、いまだに信じられないわ」と彼女は言った。「一体どうやってこんな場所を建設したのかしら?」
「正直なところ、見当もつかないな」とローランは言った。「調べてみるべきかもしれない。おっ!」彼はある人物を見つけ、「やあ、ランドール!」と声をかけた。
治安部隊の隊長であるランドール・ギブンズが、一行の方を見上げた。「ああ、エカルド団長。何かご用でしょうか?」
「トビーを見なかったか?」
「確か、医療棟にいるはずですよ」
「わかった、ありがとう」
一行は医療棟へと向かった。そこで彼らは、副団長のトバイアス・ハートウェルが医療部隊長エリザベス・マッカーサーと話しているのを見つけた。
「あと数日もすれば、彼女に『完治』のお墨付きを出せるわ」とエリザベスは言っていた。「彼女はこの3年間、リハビリに本当によく励んできたもの。次は直接診察するつもりだけど、担当医として彼女に会うのはそれが最後になると思うわ」
「ありがとうございます、エリザベス」とトビーは言った。「この3年間、彼女のために尽くしてくれたことに本当お礼をさせてください。私たち二人とも、君には心から感謝しています」
「どういたしまして」とエリザベスは言った。「ただ、あまり顔を見せなくなるようなことはしないでねと言っておいて。もちろん、彼女はネイサンが作ったあの新しい部隊で副隊長に就くことになっているから、私が望むほど頻繁には来られないかもしれないけれどね。だから、時々はここに顔を出すように伝えておいてちょうだい」エリザベスはそこで、入ってきたばかりの一行に気づいた。「あら、みんな、こんにちは」
「こんにちは」とサーラが言った。「ごめんなさい、今の会話、少し聞いちゃったの。気になって仕方ないんだけど、誰の話をしていたの?」
「ああ。トビーの婚約者のことよ」エリザベスはそう言いながら、何気ない様子でプレッツェル・スティックを口に放り込んだ。
「ああ、トビーの婚約者ね」とサーラは言った。エリザベスの言葉の意味を理解した彼女、カイル、リアンナ、そしてメレディスは、一斉にトビーの方を向き、「トビーに婚約者がいるの!?」と声を上げた。
「えっ? まだ話していませんでしたっけ?」とトビーは言った。
「いや、新人たちには知られていないな」とローランは言った。「もちろん、君が常にプロフェッショナルに徹していて、私生活のことをほとんど口にしないからというのもあるがね。それに、彼女はこの3年間リハビリを受けていたから、ここへ顔を出すことも滅多になかったんだ」
「僕がミストカリアに行っている間は、ここに来ていなかったってことか」とアンドリューは言った。「可愛い子だよな。もし独身だったら、間違いなく口説いていたところだね」。ローランに睨まれると、彼はこう付け加えた。「『もし独身だったら』って言ったじゃん。僕がもう相手がいる女性にちょっかいを出したりしないのは、分かってるだろ!」
「婚約者の話をするのは嫌いじゃないですが、あなたたちがここに集まった理由はそれじゃないはずです」とトビーは言った。「それで、新たな任務があるんですか、団長?」
「その通りだ」とローランは言った。「そして、君にその指揮を執ってもらいたい」
「私がですか?」トビーは少し驚いた様子で言った。やがて、何かに気づいたように目を細める。「なるほど。我々が対峙することになるシャドウ・ストーカーは、ヴァージルなんですね?」
「知り合いなのか?」とカイルが尋ねた。
「ヴァージル・コリン。カオジェン時代の古い友人です」トビーは物思いに耽るような表情で言った。「一緒にシャドウ・ストーカーの訓練プログラムを受けていました。もっとも、私は途中で脱落しましたが、彼は最後までやり遂げて合格したのでね」。彼はローランの方を向き、こう尋ねた。「それで、彼は一体何を企んでいるんですか?」
「この情報はアリスタ・アルカディアからのものだから、慎重に扱う必要がある」とローランは言った。「だが、どうやら彼は伝説の『三振りの剣』を盗み出すつもりらしい」
「ああ、いかにもヴァージルが考えつきそうな無茶な計画ですね」とトビーが言った。
「あの、話の腰を折るようで悪いんだけど」とカイルが言った。「その『三振りの剣』って、一体何のこと?」
「あ、それなら知ってるわ」とリアンナが言った。「アルクス・レガリウス宮殿の図書室で読んだことがあるの。建国戦争の時代に鍛えられた、三つの重要な武器のことよ」
「その通り」とアンドリューが言った。「もっとも、『三振りの剣』について手っ取り早く知りたいなら、君の胸当てに描かれているミストカリアの紋章を見るのが一番の近道かもしれないね」
その場にいた全員の視線が彼女の胸当ての紋章に注がれると、リアンナは顔を赤らめながら体を背け、胸当ての上で腕を組んだ。「あの、私の胸をじろじろ見ないでください」と、彼女は少し気まずそうに言った。
「同感だ。彼女の胸を凝視するのはやめろ」とローランが少し不機嫌そうに言った。彼は通信機のタッチスクリーンをいじってからそれをしまい、パンパンと二度手を叩いた。照明が暗くなり、壁にミストカリアの紋章の映像が映し出された。
ミストカリアの紋章は、三つの区画に分けられた青い盾で構成されていた。その区画内には、ライオン、ユニコーン、そしてグリフォンの姿が描かれている。盾の背後には三本の剣が交差して配され、盾の両脇にはオリーブの枝が添えられていた。盾の下部には、ラテン語で「LIBERTAS OMNIBUS(万人に自由を)」という銘文が記されていた。
「それじゃあ、『三振りの剣』っていうのは、盾の背後に交差して描かれているあの剣のことなの?」とサーラが尋ねた。
「その通りだけど、正直なところ、本当に重要なのは盾に描かれたあの動物たちなんだ」とアンドリューは言った。「あれらは『三振りの剣』を振るった者たちを象徴しているからね」
「ああ、そうだね」とローランが言った。「ライオンはミストカリアの初代国王、アウレリウス・ミストカリアを表している。彼の剣は『イクトゥス・フルミニス(雷光の一撃)』だ。ユニコーンはエンデ・クライオンを表している。彼は、後に『エンデクライオン騎士団』として知られることになる組織の初代団長だった人物だ。彼の剣は『ルーメン・ステラルム(星の光)』。そして最後のグリフォンは、パイレウス・グリフォンを表している。彼は謎めいた人物で、ある日突然ミストカリアに現れ、王国の中で増大しつつあった闇について警告を発した放浪の魔術師だと言われている。彼の剣は『ヴォルンタス・イグニス(炎の意志)』だ」
ローランが二度手を叩くと、明かりが再び灯った。「さて、物語の時間だ」と彼は言った。「この話は5世紀、ミストカリア王国が興ったばかりの頃にまで遡る。当時、アポカロン・カオスという極めて強大な力を持つ上級職超力者が存在した。ミストカリアの初代国王アウレリウス・ミストカリアの統治に不満を抱いたアポカロン・カオスは、志を同じくする上級職たちを募るべく、王国中を旅して回った。やがて彼は全人口の約3分の1を自らの大義に引き入れることに成功し、それが最初の『カオス・ジェネレーション』となったのだ」
「歴史が動いた瞬間ね」とメレディスは、どこか皮肉めいた口調で言った。
ローランは続けた。「ともかく、自らの勢力が十分な力を持ったと確信したアポカロン・カオスは、アウレリウス・ミストカリアに対し、王位を自分に譲るよう要求した。ミストカリアをローマのような征服帝国へと変貌させると約束してね。アウレリウスがそれを拒絶すると、カオス・ジェネレーションはヴァルム山脈の拠点を起点に攻撃を開始したんだ」
「そして、そこから『建国戦争』が始まったのね」とリアンナが言った。
「その通りさ」とローランは言った。「ともかく、親友である戦士エンデ・クライオンと相談した末、アウレリウス・ミストカリアは、長年にわたりアポカロン・カオスの脅威を人々に警告し続けていた放浪の魔術師パイレウス・グリフォンを、アルクス・レガリウスの王宮へと招いた。そこで彼ら三人は、『カオス・ジェネレーション』と戦うための組織『エンデクライオンの戦士』を結成したんだ。その創設を記念して、パイレウス・グリフォンの指揮の下、三人の創設者専用の特別な剣が鍛造された」
「ここからは僕が引き継ごうかい?」とアンドリューが言った。ローランが頷くと、アンドリューは話を続けた。「よし。戦争は10年もの長きにわたり続き、どちらの側も決定的な優位を築けずにいた。やがて事態は最終決戦へと至り、三人の創設者がアポカロン・カオスと直接対峙することになった。激闘の末、三人はついに剣でアポカロン・カオスを打ち倒し、滅ぼすことに成功した。ただし、その代償としてアウレリウス・ミストカリアとエンデ・クライオンは命を落とすことになったがね。こうして最初の『カオス・ジェネレーション』は敗北し、『建国戦争』は終結した。だが残念なことに、『カオス・ジェネレーション』の残党は生き延び、我々も知る通り、彼らは影の中で勢力を拡大・発展させ、現代に至っている。今日に至るまで、『カオジェン』の連中はアポカロン・カオスを『大魔王』として崇め、いつの日か彼が復活すると固く信じているんだ」
「それで、あの後、その剣はどうなったの?」とサーラが尋ねた。
「そうだな、戦争の末期、エンデ・クライオンは『エンデクライオン』の団長職を継がせるための弟子を育てていたんだ。だが、彼が亡くなった時点でその弟子の修練はまだ終わっていなかった。そこで、代わりにパイレウス・グリフォンが二代目の団長に就任した」とアンドリューは言った。「彼はその後数年をかけて弟子の修練を完了させつつ、二代目の王となったアウレリウス・ミストカリアの息子の指導役や助言者も務めた。グリフォン自身も、戦争の最後の年に結婚している。やがて弟子の修練が終わると、グリフォンは正式に団長職を彼に譲り、彼を三代目の団長にした。そして彼は妻と『三振りの剣』を連れてミストカリアを去った。それ以来、彼がミストカリアで姿を見せることはなかった。遥か東方へ旅立ったという噂が流れただけだ。こうして、『三振りの剣』は伝説や神話の中へと消えていったんだ」
「おいおいおい、ちょっと待ってくれ」とカイルが言った。「もしその剣が伝説や神話の中に消えてしまったのなら、どうしてあのヴァージル・コリンって奴は、剣のありかを知っていて、それを盗み出せるんだ?」
「単純なことさ」とローランが言った。「『三振りの剣』は、ミストカリアから遥か東方の地で再発見されたんだ。そこでは何世紀にもわたって剣が隠されていた。そして再発見された後、エンデクライオンはその剣を守るために独自の拠点を築いた。コリンとソランが向かっているのはそこだし、俺たちも同じくそこへ向かうことになる」
「で、それはどこなの?」とサーラが尋ねた。
ローランはにやりと笑った。「日本だ」
面白かったですか?何度も忠告しますが「過去編」と「現在編」の二種類の話があるので注意してください。




