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【第四章連載開始!】エンデクライオンの騎士団   作者: E. C. ライリー
第二章 ミストカリアの王女

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第二十二話 ジラス卿の正体

引き続き、第二章です。お楽しみください。

 信徒たちが受付エリアから立ち去ると、サーラ、メレディス、そしてルム男爵は隠れていた場所から姿を現した。「やっぱりカオジェンが関わっていたのね」とメレディスは言った。


 ルムは明らかに動揺していた。「カ、カオジェン? カオス・ジェネレーションズの信徒たちのことか? 彼らがここに? アルクス・レガリウス宮殿に?」


 サーラは眉をひそめ、考え込んでいた。そしてついに言った。「メレディス、私たちが確認した脱出ルートの一つを使ってここから出て行って。エンデクライオン城に戻って、ここで起きたことを皆に知らせて。」


「え? あなたとリアンナはどうなるの? 二人をここに置いていくなんてできないわ!」


「そうするのよ」とサーラは言った。「メレディス、私たちは事前にそう約束したでしょ。もし事態が悪化したら、あなたをここから出すことを最優先にするって。あなたは戦闘員じゃないんだから、メレディス。」


 メレディスはひどく苛立ち、今にも泣き出しそうだった。論理的にはサーラの言うことが正しいと分かっていた。しかし、つい先月、ジェイムソン・カーンのカオジェン一味の標的になった時、何度も無力感を覚え友人たちに守ってもらう必要があった。そして今、また別の友人がカオジェンの標的になったのに、彼女はまたしても無力だった。「サーラ。私…」


「メレディス、ごめんなさい」とサーラは言った。「でも正直言って、あなたは私の邪魔になるだけよ」


 メレディスは今にも泣き出しそうだったが、ぐっとこらえて折れた。「わかったわ」


 サーラはルムの方を向き、「あなたは、昇星の評議会のメンバーよね?名前は?」と尋ねた。


「え?あ、はい、そうです。サーラさんでしたっけ?ええと、僕はアントワーヌ・ルム男爵、評議会のメンバーです。まあ、もうすぐ元メンバーになりますが。」


「ふむ、アントワーヌ。ちょっと上品な響きね。アンソニーと呼んでもいいかしら?」サーラは微笑みながら言った。


 サーラが「アンソニー」と言った瞬間、ルムの心臓はドキッと跳ねた。「ああ、もちろん。むしろ、そう呼んでもらえる方が嬉しい。」心の中では、(このメイドは一体何者なんだ?こんなに気安く話しかけてくるなんて。確かに僕は男爵だけど、それでも貴族だぞ。それに、なぜ僕は彼女にこれからもそんなふうに気安く話しかけてほしいと思っているんだ?)と考えていた。


「じゃあ、アンソニー、お願いがあるんだけど。」サーラは輝くような笑顔で言った。 「どうか私の友人をエンデクライオン城まで連れて行ってくれない?もし引き受けたら、この上なく感謝するわ。」


 サーラの笑顔を見て、アントワーヌ・ルムの心に何かが芽生えた。「サーラさんのためなら千匹のドラゴンと戦ってでもお連れします!アントワーヌ・ルム男爵の名にかけて誓いましょう。必ずこの方をエンデクライオン城までお連れし、お嬢様からいただいたご恩に報います!必ずやり遂げます!」そう言って、ルム男爵はメレディスを宮殿から一番近い脱出路へと導いた。


 サーラは困惑した表情で二人の後ろ姿を見つめた。「まあ、ありがとう、とでも言おうかしら」と彼女は言った。「でも、そんなに大げさにしなくてもよかったのに。『はい、承知いたしました』と一言で十分だったのよ。」

 

***


 しばらくの間、皆が沈黙していた。ついにリアンナが沈黙を破った。「ジラス卿、あなたは実に興味深い方々と付き合っていらっしゃいますね」


 その言葉でエヴァンテイルは我に返った。「彼女はここで何をしているんだ?!しかもジラス卿、あなたと一緒だと?!」


「彼女は私の客だ」とジラスは言った。「前回とは違い、今回は正式な招待状をお送りしているが舞踏会への出席は辞退されました。」


「本当に残念でしたわ。18年前の再現ができたら、さぞかしドラマチックだっただろうに」とブラックハートはリアンナの方を見ながら言った。「残念ながら、あれほど多くのエンデクライオン騎士が一堂に会する状況では、私が姿を現すことは不可能だったわ。」


「エイドリアン・ジラス、この裏切り者め!」とフォン・クロフトが叫んだ。「私を操っていたなどと、そんな言い訳は通用しないぞ!衛兵!この裏切り者を逮捕しろ!」


 宮殿の衛兵の一団が応接間に入ってきた。しかし、彼らはジラスを逮捕するどころか、フォン・クロフトの予想に反して、全員彼の後ろに立った。衛兵だけでなく、ハンプトン子爵、ウェルズワース伯爵、リッテンハウス侯爵も立ち上がりジラスとブラックハートに加わった。


 エヴァンテイルの目が細められた。「衛兵を雇ったのはあなたでしたね。」


「エヴァンテイル侯爵、申し上げた通り、彼らが職務を全うしてくれると絶対の自信を持っています。」


 フォン・クロフトはジラスと共に立つ他の評議員たちを見て驚愕した。「あ、あなた方全員?どうして?」


「私とは違い、この三人は、いわば、最近改宗した者たちです」とジラスは言った。「正直なところ、フォン・クロフト公爵を除いて、評議員全員が改宗していればこの瞬間はもっとずっと楽しかっただろうと思っていました。残念ながら、私がエヴァンテイル侯爵にその話題を持ち出そうとするたびに、彼は明らかに興味がないことを露わにした。そして、ルム男爵にはその話題は全く理解できなかった」


「忌々しい、エイドリアン・ジラスめ!」フォン・クロフトは吐き捨てるように言い、剣を抜いた。「俺と戦え! 今度の決闘――通算百回目となるそれが最後の一戦だ!」


「受けて立とう。今夜ここで我々のいわゆる『ライバル関係』に終止符を打つとしよう」とジラスは言った。「場所は舞踏室に移そう。あそこなら戦うための十分な広さがあるはずだ」


 宮廷衛兵たちが評議会の面々を応接間から舞踏室へと誘導した。リアンナとシャルロットもまた、応接間を見下ろすバルコニーの一角から舞踏室を見下ろせる場所へと移動した。リアンナは戦慄した。舞踏室は今や、フードを被ったカオジェン教団の信徒たちで埋め尽くされており、彼らは宮廷衛兵の傍らに堂々と立っていたからだ。


 ジラスとフォン・クロフトがダンスフロアの中央に進み出た。フォン・クロフトが決闘の構えをとったとき、彼はジラスの剣の刃と柄の接合部に奇妙な金色の機械装置が取り付けられていることに気づいた。


 ジラスはフォン・クロフトの視線に気づいた。「ああ、これのことかい?」彼は左手で剣を高く掲げながら右手でその装置を指し示した。「これは電磁パルス発生装置だ。本来の目的はその範囲内にあるすべての電子機器を停止させることだった。我々の部下たちがナイツレストでの任務に試作品を持ち込んだのだが……不運にも、彼らはエカルド騎士団長本人と遭遇してしまった。だがその過程で、我々はこの装置の新たな用途を発見したのだ。今からそれをお見せしよう」


 リアンナは、この状況全体に何か異常な点があると思わずにはいられなかった。彼女は眼下の決闘者たちに目をやった。フォン・クロフトは右手にレイピアを構えて待ち構えているのに対し、ジラスは左手にレイピアを持ち相手の周りを悠然と回っている。リアンナは、数日前に自分が行ったジラスとの決闘のことを思い出そうとした。ミストカリア屈指の剣士である彼が右手にレイピアを携えて立っていた際、なぜか彼に――ほんのわずかではあるが――どこか不自然なところがあるように感じ、戸惑ったあの時のことを。


 その瞬間、ハッとしてリアンナの目が見開かれた。彼女はバルコニーの縁まで駆け寄り、叫んだ。「決闘を止めて! 彼は左利きよ!」


 もはや手遅れだった。ジラスは、フォン・クロフトがこれまで経験したことのないほどの猛烈な剣技を繰り出した。電磁パルス発生装置が作動し、ジラスの剣は唸りを上げながら光を放っていた。激しい金属のぶつかり合いが続いたが、やがてジラスはフォン・クロフトの攻撃を軽々と受け流すと、カウンターの突きでその左肩を貫いた。


 フォン・クロフトは苦痛に叫び声を上げ、血を流す肩を押さえながら後ずさりした。彼は剣技で完全に圧倒されたこと、そして自身のサイリック・シールドが無力化されたことの双方に大きな衝撃を受けていた。


 ジラスは平然とした様子で剣を掲(かか)げ、電磁パルス発生装置を確かめた。「やはりな。こいつは遠距離武器として使うより近接戦で使う方がずっと効果的だ」


「これを量産できないのは実に惜しいことね」とブラックハートが言った。「必要な電磁パルス周波数は極めて繊細で、至近距離に複数を置くだけでもサイリック・シールドを無力化する機能が阻害されてしまうからね」


 ジラスはフォン・クロフトの方を向き、「では、フォン・クロフト公爵。これまでずっと『代理』を務めてくれてありがとうございます。今から、ミストカリア最高の剣士の称号は私が取り戻すので」と言った。


「そして、私は二番手の座をいただく」と、リッテンハウス侯爵が突然口を開いた。「フォン・クロフト公爵の妄想に付き合うのはもう十分だ。ジラス卿、私が二番手の座を主張することを許してほしい。そうすれば、私があなたに称号をかけて挑戦する時が来た時に疑いの余地はないだろう」


「どうぞ」とジラスは言い、レイピアをリッテンハウスに投げ渡した。リッテンハウスは難なく柄をつかんだ。


 フォン・クロフトの驚きは怒りへと変わった。肩の痛みを無視し、彼は怒りに任せてリッテンハウスに斬りかかった。しかし、リッテンハウスはフォン・クロフトの斬撃をことごとく容易に受け流し、容赦なく彼の胸を刺した。カスパール・フォン・クロフト公爵は倒れ込み、最後の思考は、一体どこで全てが狂ってしまったのか、という疑問だった。


 ジラスはリアンナを見上げて尋ねた。「さて、殿下、どう思われますか?」


 リアンナはジラスを睨みつけ、「私に何を望んでいるの?」と問い返した。


「私の意図はフォン・クロフト公爵と大差ありません。もちろん、彼に提案したのは私ですが」とジラスは言った。「私の望みはあなたと結婚し、私の子孫を王にすることです。」

みなさん、どうでしたか?もし面白いと思いましたらどうか応援してください。

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