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【第四章連載開始!】エンデクライオンの騎士団   作者: E. C. ライリー
第一章 騎士団の開会式

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第二十三話 最後の対峙

どうぞ、お読みください。 もし、難しい漢字などがありましたら是非教えください。

 空中に放り出されたカイルは、思わず叫び出しそうになるのを必死にこらえた。自身の体が何事もなくフォースフィールドを通り抜けていく中、彼は心の中で「落ち着け」と自分に言い聞かせた。「よし、通り抜けたぞ!」カイルは空気を一点に集中させて噴出させることで軌道を調整し祭壇へと続く足場の一番下の段に着地した。


「メレディス!」祭壇に向かって駆け出しながら、彼は叫んだ。


「何じゃと?」騎士が実際にフォースフィールドを突破してきたことに驚きカーンは声を上げた。「よせ! 儀式を邪魔してはならん!」カーンはカイルに向けてより物理的な衝撃を伴うフォースフィールドを放ちその若き騎士を足場から吹き飛ばした。カイルは爪を足場の縁に食い込ませ深淵へと転落するのを辛うじて免れた。


「くそっ!」カイルはうめき声を上げた。彼は自力で足場によじ登ると再び祭壇に向かって走り出した。「メレディス! 目を覚ましてくれ!」


「やめろ、愚か者め!」カーンは怒号を上げながら再びフォースフィールドを放った。カイルは間一髪で身をかわしその攻撃をやり過ごす。すぐさま跳ね起きるとカイルはカーンに向けて圧縮された空気の弾を撃ち放った。空気の弾が命中しカーンは吹き飛ばされた。


「メレディス! 目を覚ましてくれ! 俺だ、カイルだ!」祭壇のそばへと駆け寄りながら騎士は叫んだ。


「やめるんじゃ!」カーンは叫び声を上げ、祭壇越しにカイルへと飛びかかった。彼はカイルを地面に押し倒すと杖を使って押さえつけようとした。


 メレディスが身じろぎを始めた。「カ……カイル?」エメラルド色の瞳をかろうじて開きながら彼女はうめき声を漏らした。


「メレディス!」カイルは声を上げた。「どけ、ジジイ!」カイルはなんとかカーンを突き飛ばし前へ這い出そうとした。しかしカーンはカイルの背中に飛び乗り杖で彼を激しく打ち据え始めた。


「儀式は止められん! 絶対的な力は我がものとなるのだ!」と魔術師は叫び、杖をカイルの喉元に突きつけて彼を抑え込もうとした。


「いい加減に諦めたらどうだ?」カイルは唸るように言い放つと竜巻を上空へと放ちカーンを天井へと吹き飛ばした。「メレディス!」彼はそう叫びながら身を乗り出して駆け寄った。


「カ……イル」メレディスは苦しげに呻(うめ)き、力なくカイルの方へと手を伸ばした。


「メレ……ぐわっ!」突然、カイルはカーンの発生させた力場(りきば)に押しつぶされ地面に叩きつけられた。カーンは倒れた敵を見下ろすようにして立っていた。


「誰にも止められん!」カーンは声を張り上げた。「誰にも止められはしない! わしの邪魔をするな!」


「何か手を打たなきゃ!」と、サーラが深淵の向こうから叫んだ。


「ああ、どんな案でも歓迎だよ」ローランも叫び返した。必死に動揺を抑えながら。


「ローラン……」


「よし、落ち着け、落ち着くんだ。で、考えるんだ。考えるんだ……」彼は眉間に皺を寄せ、サーラの方を向いた。「いいか、俺が思いつく唯一の方法は……今ここで、お前が『シールド・エクステンション』の術を完全に習得することだ」


「本当に無茶なことを言うわね」サーラは呆れたような口調で言った。だがそう言いながらも彼女はすでに弓に矢をつがえていた。


「いいか、トビーの教えを覚えているか?」ローランが言った。「これは俺の推測だが、彼にとって『シールド・エクステンション』はあまりに自然にできることだから教わる側にとっては説明不足になりがちだってことに彼自身気づいていないんじゃないかと思うんだ」ローランは一瞬言葉を切り、こう続けた。「だから、彼が言っていた説明をベースに自分なりにそれを発展させてみてくれ。彼が何を教えていたかを思い出しそれをもう一歩先へ進めるんだ」


 サーラは弓を引き絞りながら、その言葉について考えを巡らせた。彼女はトビーが教えてくれたことを思い出した。自分の身だけでなく矢の先まで「サイリック・シールド」を広げるイメージを持つことだ。そして彼女はその先を想像してみようとした。矢を単なる手の中の武器としてではなく自分自身の存在の延長、自分自身の一部として捉えようとしたのだ。


 サーラは狙いを定め、矢を放った。


 深淵の向こう側でカーンはカイルを嘲笑(あざわら)っていた。「愚かな小僧め!お前のような奴がわしを阻むとでも思ったのか。お前は――」カーンが言い終わる前に完全に『シールド・エクステンション』をまとった矢が背中に直撃し深淵の縁まで吹き飛ばされた。彼のフォースフィールドは完全に無効化された。


 カイルは即座に行動を起こした。祭壇を飛び越え爪でメレディスを縛り付けている鎖を切り裂いた。メレディスが自由になった瞬間カイルは彼女を祭壇から抱き上げカーンの反対側に身を隠した。


「やめろ!このくそ坊主が!」カーンは祭壇に戻ろうとしながら叫んだ。「彼女を祭壇に戻せ!」


「いやだね」カイルは呟いた。「さあ、行こう」彼はメレディスを祭壇から遠ざけようとした。


「フィールドダウンだ。よくやった」と、深淵の向こう側からローランが言った。「チャージアップするぞ」。ローランは片膝をついてしゃがみ込み脚から炎が噴き出し始めた。


「逃がさん!」カーンは唸り声を上げ、カイルとメレディスに向けてフォースフィールドを放った。メレディスをかばったカイルはその衝撃をまともに受け苦痛に叫び声を上げた。「儀式は完遂させる! 邪魔立てした報いとして死ぬがいい!」


「それならさっさと殺してくれ」カイルは歯を食いしばりながら言い放った。メレディスは力なく首を振ったがその訴えは聞き入れられなかった。


「ならば死ね」カーンはそう答え杖を振り上げようとした。


「3……2……1……ロケット!」突如、ローランが猛スピードで深淵を横切って飛び出した。ついさっきまで、カーンは杖を構えカイルとメレディスの真上に立っていた。だが次の瞬間、ローランのグラップル・ショットがカーンのローブを捉え彼をローランの方へと引き寄せていた。同時にローランもまた右脚を大きく後ろに引きながらカーンの方へと引き寄せられていく。


 カーンが息を呑む間もなくローランは炎を纏った右足をカーンの顔面に叩き込んだ。それは完璧なサッカー式のキックだった。炎のキックの衝撃でカーンは吹き飛ばされ祭壇の上へと叩きつけられた。


「愚か者め、エカルド!」祭壇の上に立ち上がったカーンは唸り声を上げた。「わしを止められると思っているなら――」


 まさにその時、時計が真夜中を告げた。紫色の稲妻が突然円形闘技場の頂上を直撃、祭壇を光で包み込んだ。カーンの顔は恐怖に歪んだ。「いかん!」彼は叫んだ。「儀式だ!儀式を行わなければならない!」


 再び紫色の稲妻が祭壇を直撃し祭壇はまばゆい光に包まれた。ローランとカイルは両手で顔を覆いカーンは光が体を貫くと同時にこの世のものとは思えないような悲鳴を上げた。そして、光が完全に消え去ったまさにその時カオス・ジェネレーションズの幹部、ジェイムソン・カーンは倒れ、息絶えた。


 ローランはカーンの死体を見つめながら両手を引っ込めた。 「うっ」と彼はうめいた。「明るい光の中で死ぬなんて、嫌な死に方だ。」

『エンデクライオンの騎士団』を読んでありがとうございます。前書きにも書きましたがもし、難しい漢字などがありましたら是非教えください。物語は続きますのでこれからもお楽しみください。

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