表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『【天下無双の宮本武蔵】関ケ原で死んだ武士達の血で捏ねた泥人形をムサシと呼んで、天下を騙した又八の戦国無双の物語』  作者: hatuhi stand


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/21

第13話:沢庵と対話 ー諸行無常ー

「天下無双の宮本武蔵……よし、この調子で噂を広めれば……」

京を離れた山道、又八は偽の武勇伝を記した書き付けを読み返し、独り悦に入っていた。ふと隣を見ると、道端の地蔵の影から、ひょいと生臭坊主が顔を出した。

「うわあああっ!? 出たあ!」

驚いて飛び上がった又八を無視し、沢庵はカサカサに乾き始めたムサシの腕を指先でなぞった。

「名声とは、空に書いた文字のようなもの。風が吹けば消えるし、そもそも最初から何も書いちゃいないのさ」

沢庵は、腰を下ろした岩の上で酒を煽りながら続ける。

「いいか又八。万物は常に変転する。これを諸行無常という。お前の連れも、かつては関ヶ原の雨泥、今は陽に焼かれた土だ。いずれ塵となり、風に散る。お前が名声という化粧を塗りたくったところで、中身は『空』。最初から何もないのだよ」

「また出たよ説法マニアが。せっかくの気分が台無しだよ」

「形あるものは必ず壊れる。だが又八、お前はその泥の中に『心』という名の執着を見出し、必死に繋ぎ止めている。崩れゆく土塊の苦しみがお前には見えぬのか」

沢庵はそう言い残すと、また霧に紛れるように消えた。又八は震える手で、ムサシの冷たい泥の腕をそっと支えることしかできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ