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-97- アウトとセ-フ

 野球に限らず諸事に言えることですが、アウトよりはセ-フの方が安らぎ気分になれることは確かでしょう。^^

 益川は、とある総合病院で診療する内科医だった。

「はいっ! お大事に…」

 益川がそう言うと、診察が終わった患者は立ち上がって一礼すると診察室から出ていった。益川は口には出さず、思わなくてもいいのに思った。^^

『セ-フだな…』

 出ていった患者に対する益川の評価である。セ-フだと当然、益川は安らぎ気分に包まれることになる。

『安岡さん、お入り下さい…』

 女性看護師のアナウンスが院内に流れ、安岡が待合の長椅子から立つと診察室へ入っていった。

「その後、どうですか?」

「ああ、はい…。お蔭様で初めに比べると随分、楽になりました…」

「顔色もいいですね…。この調子ですと、あと数ヵ月で大丈夫でしょう…」

「そうですか。その後はどうすれば…」

「それは寛解したときに言いますから…」

 益川は先々のことを気にする患者だな…と少し評価を下げた。そうこうして診察が終わり、安岡が診察室を出ると、思わなくてもいいのにまた思った。^^

『まあ、ギリギリでセ-フか…』

 益川のアウトとセ-フの基準は本人にしか分からない。ただ、アウトだと安らぎ気分に益川はなれないが、セ-フだとなれることは確かだった。

 こうして診察の日々は続いていったのである、安らげるというのも…と思えます。^^

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