-89- 不美人
不美人であっても美人に臆することなく安らぎを得られる・・ということがあります。^^ その反対に、美人であっても満たされず、安らぎを得られないという場合もある訳です。女性の方々は美人の方がいいのでしょうが…。^^
川澄美登里は今年で入社二年目のOLである。美人ではなく不美人だったが愛嬌があってそれなりに他の社員達から人気があった。その美登里に秘書課への異動が発令されたのは、まだ春浅い三月初旬であった。
「川澄さん、来月から秘書課へ行ってもらうことになったよ…」
課長の入川は笑顔で美登里に告げた。
「はい…」
美登里の内心は、えっ!? 私が…である。秘書課の女性は美人ばかりだったから、美人じゃない…と内心で常々、思っていた美登里にすれば意外だったのである。
異動の四月が近づくにつれ、上手くやっていけるかな…という心配が美登里の胸中を駆け巡った。
「川澄さん、どうしたのかしら…」
愛嬌が消えた美登里と同僚の女性社員達から、そんな声が出始めた。そうしたある日のこと、美登里にふと、一つの思いが浮かんだ。
『そうだわっ!? 私には愛嬌がある…』
吹っ切れた瞬間、不美人の美登里の胸中から心配が消え、安らぎが甦った。
春四月、美登里は美人ばかりの秘書課へ溌剌とした安らぎ気分で異動していった。
川澄さん、頑張れっ!^^




