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-84― 好物(こうぶつ)
誰にも好物はあります。逆に言えば苦手もある訳ですが、好物に巡り合えれば心に安らぎ芽生えます。特に食べものとなれば、好物を食している間は満足な安らぎ感に満たされることでしょう。^^
野山には好物があった。芋の煮っころがしである。だが、材料費が安く、好物だった芋の煮っころがしが完成するまでには調理に時間が必要で、それが難点だった。だから野山は、一度に作る量を多くして冷凍保存し、少量づつ解凍してチン! をし、食することにした。芋の煮っころがしは野山の好物だったが、栄養価としては余りなく、野山は栄養失調に陥り、体調を崩した。
「食べるのは結構ですが、偏りますと栄養バランスが…」
病院で医師に栄養失調を指摘された野山は、好物である芋の煮っころがしの制限を受ける破目になった。しかし野山は、制限に屈することなく食べ続けたのである。結果、栄養失調は改善されなかったが、野山の心の安らぎは消えることなく継続した。野山は心の安らぎが続けばそれで満足だった。
まあ、制限を受けても、制限するか、しないか? は、本人の勝手なのですが…。^^




