-85- 荒れる
全てのことに共通して言えることですが、荒れれば心の安らぎは得られません。それは自身の心の持ちようや全ての事象に共通しています。
多岡は一地方公務員として、とある町役場のに勤務していた。役職は住民課の課長補佐である。
「多岡さん、課長がお呼びです…」
「ああ、有難う…」
係長の堀田に声をかけられた多岡は課長席に向かった。
「ああ多岡君、実は熊の一件なんだが…」
「はい…」
多岡は熊と聞いて、最近、民家に出没し、住民に怪我を負わせて姿を消した熊の一件を思い出した。
「住民が平穏に暮らせるよう、町としても対策を取ることにした…」
「はい…」
「で、住民課が中心ととなって、対策本部が設置されることになったんだが、君は副本部長をお願いしたいだが…。及ばずながら、私は本部長だ…」
「分かりました…」
多岡も町民の一人として自由民の心が荒れる事態は終息せねば…とは思っていた。住み心地が悪いと心の安らぎは保たれない…とは多岡に分かっていた。
一週間後、巡回パトロールが朝、昼、夜と三度、実施されるようになった。一方、処理班も公募されることになり、出没した熊の対応も取られた。
こうして、一ヶ月が経過し、町民の住み心地が荒れる事態は沈静化し、自由民の安らぎは戻ったのである。聞いたところの話では、その後も対策は継続されているらしい。ただ、多岡の心の安らぎも消え続けているという。
熊にも言い分はあるでしょうが、襲われる不安は払拭しないと安らげず、困ります。多岡さん、安らげる日が一日も早く来ることをお祈り致します。^^




