-76- バイオリズム
バイオリズム・・早い話、身体の体調を保つ一定のリズムですが、これが崩れると、様々な健康の不調が生じるようです。となれば、安らぎの気分は遠退くのは必定でしょう。
桂は密かに会社の新体制を確立しようと奮闘していた。課長の地位にありながら平社員と同じように日々、残業を繰り返し、旧体制の勢力の打破を画策していたのである。勤王の獅子のように…。^^ それ故、桂に気の休まるゆとりはなかった。桂に蓄積された疲れはバイオリズムの変調を招いた。
「課長…最近、少しお疲れなんじゃないですか?」
係長の伊藤が、疲れが見える桂の顔を窺いながら呟くように言った。
「いや、大丈夫だ。有難う…」
すぐに否定した桂だったが、自分でも体調の崩れは薄々、感じていた。
「先生、どうなんでしょう?」
「何がです?」
「私の体調ですが…」
「体重が6kgほど減っておられますがロ、これといった異常は認められないです。過労ですね。無理をされなければ戻ると思います。点滴をしておきましょう。お薬もお出しします」
かかりつけの医院の医者にそう言われ、桂は少なからずホッ! とした。今、倒れては旧体制派に抗しきれなくなるからだった。
「そういうことだから、伊藤君、頼んだぞっ!」
「分かりましたっ! 高杉や井上とも連絡を取り合って頑張りますっ!」
「ああ、そうしてくれっ!」
それからしばらくして、桂の体調は回復した。健康なバイオリズムが復活したのである。体調が戻り、空は安らぎの気分を取り戻した。伊藤達の活躍により会社の経営方針が新体制へと移行したのである。旧体制での経営の継続には元々、無理があったのだ。
こうして、新体制への経営変革により、桂は疲れによるバイオリズムを崩すことなく副部長に栄転し、安らぎの副部長席へドッシリ! と腰を下ろすことが出来たのだった。めでたし、めでたし…。^^




