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-62- 風情(ふぜい)

 風情(ふぜい)は安らぎを増幅させる一つの条件であることに相違はありません。

 百岡(ももおか)は、とある観光地を巡っていた。だが、残暑が厳しく、吹き出す汗に観光する気分はすっかり萎えていた。旅行社で一泊のクーポンを組んでいたから仕方なく出かけたのである。クーポンを組んだとき、百岡は残暑はもう終わっているだろう…と読んでいたが、予想は大きく外れ、猛暑日に近い日となってしまったのである。旅費も旅行社に支払っていたから、まあ仕方ないるなんとかなるか…と百岡は出かけたわけである。観光には風情が欠かせないが、猛暑とあっては風情どころの話ではなかった。当然、安らぎ気分には至らず、ほうほうの態(てい)で百岡は宿泊するホテルへ駆け戻った。観光を取りやめた百岡は、翌日、まだ熱波の残る早朝、観光地から帰宅した。ただこの教訓から、百岡は旅行社のクーポンを組まず、気のまま旅をすることに切り替えた。こりゃいいな…と思った風情がある気候の日に旅に出かけるようにした。

こうして、百岡は安らぎ気分で旅することに成功したのだった。

 風情ある日に旅するのも安らぎを得る一つの条件ですよね。^^

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