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-54- 予想
予想が当たれば、これはもう、テンションが上がるうえに安らぎ気分は増幅されます。自分の考えとは別に社会が動いているからです。
春の人事異動を控えた竹野は、『もう、そろそろ係長になっても怪しかない…』と、ここ一年ばかり思い続けていた。ところが、昇格の内示がなか無かった。竹野は、予想が外れたか…と、アングリした顔でデスクで仕事をしていた。隣のデスクの後輩職員、平内が小声で竹野に語りかけた。
「内示が始まったそうですよ…」
「ああ、そうか…。もう、そんな季節になっんだなぁ~」
仕事の手を止め、竹野は気づかなかった素振りを見せた。
「西嶋さん、課長補佐らしいですよ…」
西嶋は係長だったから、竹野は、やはり…と思った。と、すれば、係長の席は空く。竹野は自分が…と、勝手に予想した。ところが内示は別の課の職員に割り当てられた。竹野は安らぎ気分どころか、ガックリと肩を落とすことになった。今年もダメだったか…と諦めていた矢先、竹野は予想外の別の課の係長を拝命した。
予想はえてして当たらないものですが、安らぎ気分になれることもある訳です。




