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-49- 適温3

 人によって適温の感覚は異なります。暑いのが身体に合っている人と寒い方がいいと感じる人など、いろいろとその人に合った適温は違います。適温であれば、当然ながらやすらぎの感覚が味わえると、まあこうなる訳ですが…。

 とある局のキャリア・ウーマン白雪妙子は、国営放送のアナウンサーからフリーとなり移籍した有名アナウンサーだった。彼女には辛いと思える苦手が一つあった。他の社員に比べて空調の適温が数度以上、低かったのである。当然、空調は他の社員に合わせて設定されていたから、彼女にとっては汗が噴き出た。メイクは滲(にじ)む汗で崩れ、彼女にとって本番、一分前まで油断がならなかった。ニュースを読む放送中も汗が噴き出るから、カメラのアップは極力、控えられた。

「白雪さん、大丈夫ですか?」

 本番一分前、ディレクターが心配げに訊ねた。

「はい、なんとかいけそうです…」

 白雪は小声で返した。まあ、そういうこともあって、なんとかニュースを読み終えたとき、白雪はようやく安らぎ気分に浸(ひた)れた。空調の設定温度は下げられないため、白雪は自身の適温を得ようと、絶えず保冷剤を身体に忍ばせていた。それでも汗が噴き出す体質はどうしようもなかったが、白雪はめげずに頑張ったのである。

 安らぎが得られないほど一般人と適温が違う人は大変ですね。^^

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