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42/99

-42- 切符

 最近では切符も過去の物になりつつあるようで、私が暮らす地方鉄道の中心駅では乗車駅証明券なるものが発行され、切符が買えなくなっています。経営面の問題もあるのでしょうが、非常に残念で嘆かわしいことです。

 竹山は久しぶりに都会へ出ようと近くの駅で切符を買おうとした。

「切符はないんですよ…」

「駅で切符が買えない?」

 切符売り場の駅員にそう言われた竹山は、意味が分からず訊ねた。

「はい、そこの乗車駅証明券を取って下さい…」

 お取り下さいだろうが…と不満を感じながらも、竹山は仕方なく証明券を手に取り改札を抜けた。気分は旅の安らぎ気分どころか、なんてことだ…である。出がけ早々、気分を害された竹山は、今の世の中を恨めしく思った。だが、よくよく考えれば、これも時代の流れか…と思えなくもない。そんなことで、ジィ~っと目を閉ざし、深く考えないことにした。そうすると、いつの間にか恨めしい気分が遠退き、安らぎの気分がヒタヒタと竹山の心に溢れ出した。

『そうだっ! 深く考えないようにすればいいんだ…』

 竹山は微々たることを深く考え過ぎるのが馬鹿馬鹿しくなった。すると妙なもので、それ以降、安らぎの心が竹山を包み込んだのである。

 竹山さん、まあそうしたものです。^^

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