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-33- 宗教
人は宗教を信仰することにより安らぎを得ようとします。死後が分からないから、安らぎを求めて宗教に縋る訳ですね。^^
最近、年老いたな…と思い始めた井野畑は、とある宗教に縋ることにした。とはいえ、その宗教を信仰した・・ということではない。巷では組織ぐるみの宗教事件が明るみに出ていたから、井野畑も深入りはしないようにしよう…と考えていた。
「お寺の集金です…」
日曜の朝、寺を世話する檀家の一人が訊ねてきた。
「集金ですか? …何にお使いなさるのですかな?」
「さあ…。私も集めてくれと言われたから集めている訳でして…」
「昔と違い、お寺さんも専業でなく兼業でお勤めされているんですから集金というのは…」
「まあ、それはそうなんでしょうが、いろいろな行事がありますからな」
「その費用という訳ですか?」
「はあ、おそらくは…」
「最近のお寺は世俗的ですな」
「…」
集金に訪れた男は口を閉ざして頷いた。
「では、これを…」
井野畑は財布から書かれた額を支払い、領収書を受け取った。訪れた男が去ると井野畑は、ふと思った。
『なんか信じられんな…』
井野畑俗化したその寺の檀家から脱会した。井野畑の心に安らぎが訪れなかったからである。
井野畑さんのお気持ち、分かります。^^




