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29/38

-29- 夕陽

 夕陽が沈む頃・・特に秋の過ごしやすい頃ですと、辺りの風景を見ているだけで、なぜか安らぎの気分が芽生えます。そこへ、群れをなすカラスがカァカァ…と啼きながら家路を急ぐ姿を目にすれば、これはもう安らぎの気分が最高潮に達します。^^

 二階のベランダに射し込むオレンジ色の夕陽を見ながら館山(たちやま)背凭(せもた)れの椅子に身体を預け、ホッコリと寛いでいた。二十分ばかりウトウトしているうちに夕陽はすっかり傾き、西山の一角にその姿を隠そうとしていた。明日は休日という土曜である。館山の気分は安らいでいた。妻がキッチンで作るビーフシチューのいい香りが、どこからともなく流れて館山の鼻を(くすぐ)った。舘山はオレンジ色に生える夕陽を浴びながらワインを傾け、幸せな安らぎ感を満喫した。

『いい気分だ…』

 なんともいえない安らぎを館山は感じた。

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