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-21- ゆとり
ゆとりがなければ安らぎという気分は生まれません。アレやコレやで忙しいとダメな訳です。
島倉は多くの患者に忙殺されていた。大病院の医師だった息子が医院を継ぐために戻ってからというもの、多くの患者が診療に訪れるようになったのである。これはもう、委員としては万々歳だったが、島倉としてはゆとりがなくなり、楽しみにしていた盆栽の手入れもままならなくなったのである。
「先生っ! 患者を診て下さいっ!」
「ああ、今行く…」
看護師との間でこんな遣り取りが日常となった島倉は息子に委員を任せ、深夜、医院を抜け出した。夜間の最終列車に飛び乗り、あとはどうなろうと…という気分になった。列車に飛び乗った途端、ゆとりが生まれ、島倉は安堵した。




