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-19- 適温 2
人は知らず知らずのうちに、寒過ぎず、暑過ぎもしない適温を求めて生活してます。適温が得られれば、自然と安らぎを覚える訳です。まあ人だけではなく、地球上で暮らす全ての生き物が安らげる適温を求めている訳ですが…。^^
サラリーマンの倉田は、今日も課のデスクに座り、あんぐりした顔で仕事をしていた。最近、新入社員が課へ配属され、倉田は日射しが射し込むデスクへ余儀なく移動させられた。春秋はよかったが、夏や冬、特に夏は直取日光の洗礼で、もろに光線を受けていた。課内の温度は空調でほぼ適温に保たれていたが、天窓の直射日光は遮れず、倉田を攻め続けていた。
「課長、席、なんとかなにませんかねぇ~」
倉田はついに課長に席の移動を懇願した。
「君の気持ちは分かるが、この広さだからねぇ~」
課長の大久保は渋面で返した。課内は狭く、レイアウト的に席を移動できるスぺースがなかったのである。課内の社員は全員が適温で安らげたが、倉田の席だけは安らげないスぺースだったのである。倉田は一週間後、自作のアルミ製・防護カバーで自席を蔽い、仕事を始めた。だが残念なことに空調は遮られて適温にはならず、倉田は課長の許可を得て、帽子を被って仕事を続ける破目になった。
お気の毒という他はありませんねぇ~。^^




