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-17- アレコレ

 困るほどではないものの、アレコレやることが多ければ安らぎの境地には至りません。ということは、出来るだけアレコレある諸事をやってしまえば安らげる・・ということになります。^^

 大内は広い苺畑と竹林を所有している農家である。そろそろ出荷を迎え、家族総出で収穫の農作業に当たっていた。

「父さん、今年もイノシシが出るかも…」

 農家を継いだ息子が苺パッを箱詰めしながらボソッといった。

「ああ、こんなことは以前なかったんだがな…。去年のように一日おきにやろう…」

「分かった…」

 夜の竹林の見回りを一日ごとにやっていたが、イノシシもさるもので、余り効果は望めなかった。見回りに猟銃は欠かせない。万一、遭遇すれば、怪我をする危険性もあった。二人とも猟銃免許を所持し、警察に届けていたが、根っからの猟師ではないから、不安が二人にはあった。そこへ朝からは苺の出荷作業である。二人の疲労感は蓄積していた。二人の安らぎといえば、風呂上がりの一杯である。酩酊したあと、ほんの一時(いっとき)の安らぎに二人は一日の疲れを忘れるのだった。収入はそう多くはなかったが、二人は農家をやめるつもりはなかった。

「来年から竹の子狩りの観光客を招くことに青年会で決まったよ」

「そりゃ、いいな。俺達の世代はもう年だ…」

「ははは…そんなことを言わないで、あと二十年は頑張ってくれよ」

「まあ、そのつもりだがな。ははは…」

 風呂上がりに竹の子の煮つけで一杯飲みながらアレコレを忘れる二人に、思わず笑みが(こぼ)れた。

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