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-16- 働く

 働くと、お腹が空き、そのあとの食事が美味しく感じられます。働かないで食べれば、美味しさは働いたあととは違い、今一つでしょう。どうせ食べるなら美味しく戴きたいものです。^^

 とある中堅商社の営業部に勤める黒田は、その日も営業でお得意先との新規契約の取り付けで出ていた。そろそろ昼時である。都合でその日は朝から何も食べていなかった。単身赴任で会社の寮に寝泊まりする黒田にとって朝食はいつも駅前の立ち食い蕎麦(そば)だったから、昼食はしっかりしたものを食べないと…と、出回り先近くの飲食店はネット検索で調べておいた。

「すみませんぇ~、今日は臨時休業なんですよ…。貼り紙見えませんでした?」

「えっ!? そうですか…」

 店主にそう言われては返す言葉がない。黒田はそのまま他を探すことにした。

生憎(あいにく)この辺りじゃ、うちだけなんですよ…。あっ! すぐ近くにポテト・スイーツの店が出来たな。それでよろしければ…」

「ですかっ! 助かります。そこへは?」

「まっすぐ直進して頂いて五分ばかり、この店側にあります」

「どうも有難うございました」

「いいえ…」

 働くと空腹になるが、その日の黒田は二ヶ所ばかりお得意先を多く回っていたので余計に腹が空いていた。黒田はポテト・スイーツの店前で多めのポテトを買い、むしゃぶりつくように口へ運んだ。しばらくすると空腹感が消え、なんとも言えない安らぎ感が黒田を満たし始めた。いつも持ち歩いているペットボトルの水で喉を満たすと、益々、黒田の安らぎ感は増幅された。

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