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-11- 天侯

 同じ旅をしていても天候の良し悪しで安らぎ気分は大きく変わります。どうせ旅費を使いながら旅をするのであれば晴れ渡り暑くもなく寒くもない素晴らしい天候がいいですね。^^

 課長の本塚は社内で雨男と呼ばれていた。どういう訳か本塚がいると晴れていた天候が急に曇り出して雨が降った。そんな訳で、本塚は他の社員から煙がられていた。

 そして今年も社内旅行の日が近づいてきた。だが、同じ課の同僚は本塚が座るデスクをチラ見して溜息をもらすのだった。そんな課の雰囲気を薄々、感じていた本塚は、なんとかならないだろうか…と、青空を眺めながら思わなくてもいいのに思った。よくよく考えれば、本塚が加わると天候が崩れるには一つの理由があることが分かった。一定の人数での集会だとか会議、旅行という条件があることが判明したのである。

『そうか…この前の家族旅行じゃ降らなかったからなぁ~。…人が少ない場合はいい訳だ…』

 本塚は天候が悪くなる人数がどれほどなのか? を調べなくてもいいのに調べてみることにした。^^ 調べていく内に天候が悪くなる人の数が九人以下の場合はそうならないことが分かった。

「今日のプレゼンテーションは九人でいいよ。私が選んだ出席者だ…」

 本塚は(おもむろ)に係長の堀川に一枚の印刷した用紙を手渡した。

「この前は全員でしたが…」

「ああ、招待会社を招くには多過ぎると思ってね…。相手さんも小人数だから…」

 語尾を濁らせ、本塚は本当の理由を隠した。そして、社内旅行は欠席することにした。どういう訳か本塚の心に安らぎ気分が訪れた。九人以下とは九人だと降らないことになるな…と、本塚は思いながらニンマリと(わら)った。

 そんな訳でもないんでしょうが…。^^


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