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-10- 死後

 死後どうなるか? が分かれば、誰もが安らげます。不安だからこそ、仏教の戒名だ…とかキリスト教の洗礼などを受けて安らぎの気分を得ようとする訳です。そのときのことよ…と笑ってブレーク・スルー(突破)出来る人は達人と言わなければならないでしょう。^^

 若い頃は飛魚のように動いていた中井も、七十五才の後期高齢者となり、身体の動きに違和感を覚えるようになっていた。

『俺も、そろそろ年か…』

 ある日のこと、中井は風呂上がりの冷えた生ビールを飲みながら、死後はどうなるんだろう…と、ふと思った。思った途端、中井の安らぎ気分は消え去った。いつもは心地よい生ビールの(のど)越しと美味い摘みに安らぎを覚える中井だったが、その日は無味なひとときとなったのである。中井は次第に死後のことが気になり出した。だが、死後がどうなるかは先端科学が進んだ昨今でも明確な解答が導き出されていなかった。AI(人工知能)をしても、この一件は正解を出せまい…と中井は思った。その後、ふん! そのときのことよ…と開き直った中井は深く考えないことにした。その日以降、中井に風呂上がりの至福のひとときが蘇った。

 深く考れば安らぎ感は消える訳ですが、気になることは気になりますよね。^^

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