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小話36 呪いにかけられて
とある貿易都市の、ある酒場。
ここは酒も料理も美味いと評判で、多くの人々が訪れる。その中には、冒険者や衛兵達の姿も。だからか、自然と騒動も起こるのだが。
日が暮れ始めた夕方。夕日色に染まる空の下。男女の年若い冒険者は、街を歩いていた。互いの衣服や装備は、やたらボロボロ。擦り傷切り傷の類が、肌のあちこちに刻まれている。疲労困憊。歩くだけでも億劫そうだ。その姿は人の目に止まるが、それも一瞬。傷を負う冒険者なんてごまんといる。「日常」の一部として、すぐに人々の記憶から抜け落ちていく。
そんな中で2人の冒険者は、街ゆく人に「ある質問」をして、その問題解決になってくれるだろう場所へようやく到着した。
「ここ?」
「そうみたいだ」
茶髪の男が尋ね、同じ髪色の少女が応える。
2人はゴクリと唾を飲み干し、互いに視線を交わす。
「じゃあ、入りましょ」
「うん」
そう決めて2人は、問題解決の糸口になるだろう場所、酒場へと足を踏み入れたのだった。




