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小話31 直して壊して。
とある貿易都市にある、ある酒場。ここは酒も料理も美味しいと評判で、多くの人々が集まる。その中には、冒険者や衛兵達の姿も。それだけ人が集まれば、自然と騒動も起こるのだが。
「あーっ!? またかよっ」
酒場の前で膝と手を地面に付け、あらん限りに叫ぶ男がいた。目尻にはシワ刻まれ、頭には白い薄汚れた布を巻いている。煤けたシャツにポケットがたくさんついた、ダブダブのズボン。腰には、大小様々な工具が吊るされている。
「まだ、数日しか経ってねぇはずだ! それが」
周囲の不審者を見るような視線は何のその。叫び過ぎて嗄れた声になっても、男は嘆く。やがて大きなため息をつくと、ノロノロと立ち上がる。沈んだ面持ちのまま、その男は酒場へ入って行ったのだった。




