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小話30 わがままな森の人3
注文してから、3分後。
「遅いっ!」
腕を組んだエルフは、そう呟いた。余程気が短いらしい。エルフの目がカウンター席に座る、1人の男にとどまり、席を立つ。
ツカツカとブーツを鳴らして近づき、見下ろす様に睨んだ。男はその威圧感に、たじたじになりながらエルフを見上げた。
「あの、何の用かな?」
「今暇なの。何か面白い事して?」
「お、面白い事?」
「そうよ。何でもいいから早く」
次第に声を荒げていくエルフに、男の動揺が酷くなった。逃げるにも逃げられず、周囲から期待と憐れみの目。歴戦の冒険者であった男は、戦闘をかくや、の覚悟でエルフの前に立つ。
「ふ…」
「お待たせした。注文の品だ」
「ま、ますたぁ!!」
男の窮地を救ったのは、マスターだった。マスターに祈りを捧げるな如く、両手を組み合わせて涙を流す。エルフは不機嫌そうな顔で、席を戻って行く。その途中で、エルフが振り返る。
「命拾いしたわね」
そこには冷たい笑顔を浮かべる、エルフの姿があった。
「「怖っ!?」」




