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小話26 マスターへの幻想
とある貿易都市の、ある酒場。
ここは酒も料理む美味いと評判で、多くの人々が集まる。その中には冒険者や衛兵達の姿も。色々な者が来る場所では、自然と騒動を起こるのだが。
眩しい太陽が中天に差し掛かる頃。普段なら賑わいを見せる酒場には、沈黙が降りていた。客達の真剣な視線は、店にやって来た見回り中の衛兵2人組。鎧を着込み、兜をとった若い男達は困惑と焦りの中でマスターと相対する。酒場でも時たま見かける顔ぶれに、客達の間にも戸惑いが生まれていた。
そんな重苦しい空気の中で、眉の太い精悍な顔つきの男が懐から1枚の書状を取り出す。蛇腹に折られた書状を開き、男は読み上げた。
「告。緊急案件につき、店舗内部捜査及び店主の誘拐容疑により、身柄を拘束する」
『 !? 』
突然の内容に、誰しも驚愕をあらわにする。ありえない。誰もがそんなの嘘っぱちだと思った。まるで夢みたいな出来事。しかし目の前で起こる光景は、どうしようもなく、真実だと訴えてくる。マスターはため息をつくと、ただ一言告げた。
「分かった」
事態の展開に誰もがついていけず、絶句。
『一体、どういう事なんだ!?』




