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小話25 召喚
とある貿易都市の、ある酒場。
ここは酒も料理も美味しいと評判で、多くの人々が訪れる。そこには冒険者もいれば、衛兵の姿も。それだけ人が集まる場所では、自然と騒動も起こるのだが。
「ふっふっふっ、はっはぁ!! 来たぞ!」
突如響く男の高笑い。閉店間際の時間帯に関わらず、夜の闇に哄笑がこだまする。彼の手には無骨な杖。先端に丸い緑色の宝石がはまり、その存在は異彩を放っていた。魔法を扱う者特有のローブをその身にまとい、腕を左右に広げる。ローブ男の前には、未だ煌々とあかりを灯す酒場の入り口があった。男はその入り口の扉に向けて、口元をニヤリとさせた。
「この俺様の力にひれ伏すがいい!」
男はそう言って宝石のついた杖の先端を、扉に当てる。
「噂の真相を確かめさせてくれ!」
同時、杖の先で複雑な文字で構成された魔法陣が展開。青白い光を放ち、そこから「何か」が生まれ出る。
「さぁ、暴れろ」
瞬間。轟音と共に酒場の扉が吹き飛んだのだった。




