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小話19 ライバル宣言!?
とある貿易都市のある酒場。
ここは酒も料理も美味いと評判で、多くの人々が集まる。勿論、冒険者もいればオフの衛兵達も。それだけ色々な人が集まれば、自然と騒動も起こるのだが。
「ここが、貿易都市一番の酒場ですか! 随分と味気ない!!」
昼間。人で賑わう酒場に大音声が響く。食事をしていた者達は、驚いて手に持っていたものを取り落とす。視線は店の入り口。そこに大柄で背の高い、白い料理人服の男が立っていた。その目は見下す様に店内を眺め回し、笑みを浮かべている。態度にカチンと来た客達が、男を睨みつけた。
「客達のマナーもなっていないとは。これだから酒場なんて」
ヤレヤレと両手を上げて、大きなため息。人の神経を逆なでる事にかけては、この男は一種の天才だったのかもしれない。男は整えた茶髪の髪を手の甲で撫で付け、真剣な眼差しでマスターを見た。
「人気酒場だか知らないけど、いい気になるなよ」
マスターに指を突きつけ、更に声を張る。
「世界にも名を馳せた、我が高級料理。この酒場の来る客共、全員虜にしてやる!」
声を荒げて断言した男は、踵を返して出て行く。その後ろ姿を追っていた客達は、男の向かう先を見て、声を揃え叫んだ。
『お向かいの店かよ!!』
そう。男の帰った先は、この酒場のはす向かい。目と鼻の先だったのだ。




