小話18 人気の理由。2
「こんにちは! 今日はよろしくお願いします」
「……あぁ」
記者が挨拶をすると、マスターが素っ気なく答える。まぁ、これがマスターの通常運転と知っているので、記者は軽く笑みを浮かべた。
マスターの了承を得たので、早速取材へと取り掛かる。昼時は忙しいという事なので、午前中のまだ人が少ない時間帯。けれども酒場はすでに客達の姿がちらほら。さすがは人気の酒屋。この人気の理由を探っていきたいところだ。
「まずはマスターに……」
質問をしようかと記者が口を開く。
「あんた、誰だ?」
その言葉を遮って、カウンター席に座っていた男が声をかけて来た。冒険者の身なりをしたその男は、興味津々で記者の持つ手帳や羽ペンをジロジロと見やる。出鼻をくじかれた記者だったが、すぐ様調子を取り戻すと、その男に体を向ける。
「こんにちは。私はこの都市で新聞記事を書いている者です。今回、噂の人気酒場であるこの店を取材しに来ました!」
「ほぉ!この店の取材か!」
「えぇ」
冒険者のその男は驚きに目を見開くと、感心した様に頷く。どうやらこの酒場と、所縁がある様子。「これはチャンス」と思い、記者はその男に質問を投げる。
「あなたは、よくここへは来られるのですか?」
「あぁ、来てるな。今じゃほぼ毎日」
「毎日ですか!」
「そう。ここの酒がまた格別でさ。普通じゃお目にかかれない他国の酒や、希少価値の高い物まで。あらゆる品が揃っているぜ!」
「ほぉ! それは興味深いです」




