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小話18 人気の理由。
とある貿易都市の、ある酒場。
ここは酒も料理も美味いと評判で、多くの人々が訪れる。勿論、冒険者もいればオフの衛兵達も。そんな場所では、自然と騒動も起こるのだが。
「よーし! ついにここまで来たぞ!」
酒場に気合のこもった声が響く。黒の正装服をまとっているが、首元のボタンは緩めて少し動きやすい格好。歳は20代後半だろうか。肩につかないツンツン跳ねた髪に、好奇心を宿した茶色い瞳。手には小さな手帳と羽ペンを握っていた、彼はこの貿易都市で発行される、新聞記事のネタを探していた。そして今日、記念すべき初取材で念願であった「とある酒場」の取材協力を得たのだ。
なかなか首を縦に振らないマスターには、辟易したものである。普通はお店を紹介するといえば、喜んで応じてくれるのに、マスターは無表情だし言葉少ないし、会話を交わすだけでも根気が必要だったくらいだ。そんな長きに渡る苦労がようやく報われる。記者の男は意を決すと、店の奥へ進んで行った。




