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小話16 「涼」を求めて2
その存在感に圧倒されながらも、ハッと我に返った男は結晶を見上げながら、店内へ足を踏み入れる。店にはすでに常連客達が屯し、彼と同様「氷の結晶」を見て、何か話し込んでいた。
「ヨォ、お前ら。早いな」
「そういうオメェだって、十分早ぇよ」
片手を上げて話しかけると、無精髭を生やした男が苦笑交じりに答える。
「まぁ確かに」
「へへっ! お互い様だな」
「ところで、この氷はなんだ?」
挨拶もソコソコに、常連客の冒険者は本題に入った。しかし、問われた相手もその答えは持っていないのか、両手を上げて嘆息。
「それが未だに謎でな。マスターは気にせず、料理や酒の準備をしているが」
「あのマスターが、こんな事で動揺を見せるとは微塵も思わねぇよ」
カウンター越しに見えるマスターの背を見つめながら、つぶやく。同意とばかりに笑みを返すと、彼らは再び「氷の結晶」に視線を戻す。
常連の冒険者は、「氷の結晶」に恐る恐る触れて、そのひんやりとした感触を知る。外は炎天下。不謹慎だが、この冷たさはちょっと嬉しいものである。そんな考えをしていた矢先、突然、「氷の結晶」が光を放つ。
「うっ、眩しい!」
酒場は、一瞬にして光の渦へ飲み込まれていく。




