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小話15 行き倒れの男
貿易都市にある、とある酒場。
ここは、酒も料理も美味いと評判があり、多くの人々で賑わう。勿論、オフの衛兵もいれば冒険者も。それだけ人が集まれば、自然と騒動も起こるのだが。
星が空に瞬く夜。酒場は煌々と明かりが灯り、人の笑い声が響く。誰も彼もその手にジョッキを持ち、仲間や友人達と打ち付け、ガバガバと豪快に酒を飲む。テーブルには酒だけでは無く、食欲を刺激する数々の料理がずらりと並ぶ。それらを酒のつまみに食し、もう片手で酒で喉を潤す。中には酔って芸を始める者がいたり、飲み過ぎたのかその場で寝てしまう者だっていた。けれども、どの客も終始満足そうな表情を浮かべている。そんな騒ぎの最中だった。
ガチャっ。
キィィィィ。
酒場の入り口がゆっくりと開く。
新たな客かと思い、マスターが出向こうとした時だった。
「み、水を」
ズタボロのマントとフードを被ったそいつは、しゃがれた声でそれだけ呟くとそのまま床へ倒れてのだ。突然の事態に、盛り上がっていた客達の熱が少しずつ冷めていく。そして未だにピクリとも動かない「そいつ」を見て、慌て始める。
『ちょ、えーーーー!?』




