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小話14 閑話・常連客のつぶやき
貿易都市にある、とある酒場。
ここは酒も料理も美味いと評判があり、多くの人々が集まる。勿論、オフの衛兵がいれば冒険者も。それだけに自然と騒動も起こるのだが。
「あー、今日も疲れた」
空が暗闇に染まる頃。店の常連客である冒険者の男は、椅子に腰を深く沈めぼやいた。剣を持って向かい来るモンスターを斬り伏せ、言葉では言い表せない様な処置を施し、冒険者ギルドに素材、討伐証明を提出。ほぼ1日がかりのこの仕事は、体力的にも精神的にも辛い。それでも冒険者として20年近いキャリアを持っているのだ。
それだけの実力を持ちながら、彼はある「人」には勝てないと確信していた。その人物は。
「 ……マスター 」
こちらに背を向け、さっさか働く、この「酒場」のマスターである。
この店では暴力沙汰禁止。喧嘩が始まったりした場合、マスターが強引に止めに入るのだが。
「毎回思うけど、マスター自身が一番暴力の塊だよな」
だってそうだろう?
有無を言わさず、己が力だけで事態を収めるのだから。




