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小話11 天然お嬢様
貿易都市にある、とある酒場。
ここは酒も料理も美味いと評判があり、多くの人々で賑わう。勿論、オフの衛兵もいれば冒険者も。それだけ色々な職種の者が集まれば自然と騒動も起こるものだ。
本日、快晴。しかし、酒場に来る者は天気なんぞ関係無い。誰もが仕事や日常の合間に立ち寄る場所として、愛されていた。そんな酒場に珍しい客が現れる。
「お邪魔するわね」
日傘をさし、入り口に立つ女性。顔は傘に隠れて見えないが、腰のくびれに届きそうなほどの金髪。フリルをふんだんに使用した淡い若葉色のドレス。ヒールの高い靴がドレスの下から垣間見えた。
「ふふ。初めての場所なんて、緊張します」
日傘を閉じたその女性は、優しげな声でニコリと笑う。
「さて、何を頂きましょうか?」
優雅な所作で席に向かう女性を見て、客達は声を失った。そして。
「あ、きゃぁぁ!!」
自分のドレスの裾を踏み、床に転ぶその姿に。
『う、わぁ』




