小話⑧獣人族は、飲む。2
すいません! 少し、投稿時間が遅くなりました(汗)。
周囲の雰囲気に呑まれる事無く、獣人の男は注文する。
「マスター、まずは麦酒だ。あの苦味と舌を刺激する感覚は、仕事終わりに丁度いい」
「わかった」
注文を受け、マスターは木製の酒の器「ジョッキ」を取り出す。そのジョッキに、酒樽から黄色い液体をそそぎ入れる。注ぐたびに酒の上部が白く泡立っていく。ジョッキのふち、ギリギリまで満たすと獣人の男の前にドン、とおいた。
「お! ありがとさん。んじゃ、早速頂くとしよう」
獣人の男は、ジョッキの取っ手を掴み、傾ける。そして、一気に飲みほそうとした……が。
バキャッ。
「貴様ァァァ!! なんて事をしてくれたんだ!!」
扉を蹴破って、新しい客、毛色の違う獣人族が現れたのだ。濃い灰色がった毛色の闖入者は、血走った目で麦酒を飲みかけた獣人の男を睨む。
「おぉ、相棒。よくここがわかったな」
「……」
手を軽く振って、気安く獣人の男は話しかけるが、灰色の獣人は無言でズンズンと男に近づく。犬歯をむき出し、ぐっと拳を握り込んで。言葉にしなくてもわかる。衛兵や冒険者達は、その殺気立った様子で、怒りの強さをある程度予測できるのだが、これは尋常では無かった。
緊迫感が酒場に広がっていく。灰色の獣人は、カウンターに座る獣人の男の前でピタリと停止。そして。
「この馬鹿がァァァ!!」
「グホッ」
握り込んでいた拳を後ろへ引き、顔の横から叩き込む。横殴りを受け、獣人の男が床倒れ込んだ。
『えーー!?』




