小話⑤幽霊騒動!? 2
今日も朝の開店準備を終え、活動を始めるマスター。店には開店早々、常連客達が姿を見せ、思い思いに時間を過ごし始めた。朝から酒を飲むというわけではなく、朝限定の食事目当てである。マスターもそれは承知しているので、普段通り早速調理へと取り掛かった。
「それにしても、この店は都市の中心にあるのに静かだな」
男の常連客が、頬杖をついて窓の外を眺めながら呟く。
「そうね。最近、巷じゃ、不審な事件が続いていて、どこの店も困っているらしいわ」
女の常連客は、そういいながらカウンターに向かう。その台に置かれていた水樽から、栓を半分だけ抜き、木製の器に水を注ぐ。
「不審な事件?」
不穏な響きに、男は眉をひそめ女に質問を投げかける。
「そう。なんでも、店が荒らされたり、食材や客の料理が消えたりと様々でね。お金を盗まれた訳でもないから、犯人の目的もわからないの」
女は、器を持ってカウンター席に座ると、ぐいっと一気に水を飲み干す。
「まぁ、そんな訳で犯人は”人”じゃ無くて、幽霊とか魔物とか、妖精だとか。いろんな推測が飛び交っているみたいよ?」
「なるほどね」
男が納得して腕を組むと、他の客達の中にも話題に挙げている者がいた。話を始めた2人も、周囲の様子に気づきつつ、苦笑して会話を継続する。
「実際私が現場を見た訳じゃないから、真相は不明だけど」
「ははっ! 案外、そいつが近くにいるかもしんねーな」
男が声をあげて笑うと、周囲の客達がつられたのか苦笑する。そんな気が緩んだ時だった。
ガシャァァン!!
突然カウンターの奥から、激しい破砕音が聞こえたのは。
一体、何があったのでしょうか!?




